男同士でやるのはイタイと聞いていたけれど、慈郎は覚悟してたほど痛いとは思わなかった。
それを日吉に告げると、アナタは女の子みたいに柔らかいですから と真顔で言われた。


「オンナノコとしたことあるの?」
「…いや、無いですけど。」
「じゃあ日吉、滝ともこんなことしてるの?」
「…あのヒトは手も握らせてくれませんよ」
「……」


会話はそこで終わってしまった。


「…何か喋ってよ、何もすることがないと寝ちゃう。」

日吉はふっと笑って慈郎の頭を撫でた。

「寝ていいですよ、無理させちゃいましたから」



どうしてこんなことになったのか、もう判らない。
ただいちどしてしまうと後はもう簡単だった。
毎晩毎晩、まるで恋人のように身体を繋ぐ習慣がいとも簡単に出来た。





ティアドロップス     Act.2







「…日吉、寝ないの?」
満月の真夜中過ぎ、窓辺からじっと月を見ている彼に声をかける。
寝ますよ、と言って日吉はクスリと笑った。

「アナタが、一度寝て目を覚ますなんて珍しいですね」
長い指で、慈郎の髪の毛をくしゃっと撫ぜる。
「だって…寒いもん」
「もう12月も終わりですからね…」
その格好じゃ寒いですよ、と言って日吉は床に乱雑に散らばっている彼のパジャマを拾い上げた。
「お前が脱がせたんだろ!」
「はいはい、判ってます」
パジャマを腕に通してボタンを留めてやる。
慈郎は日吉の腕にきゅっと自分のそれを絡めた。
彼が月を見ながら何を考えているのか―それくらい、幾ら慈郎でも簡単に判る。

「…寒いんだってば…」
日吉はハイハイと言って、慈郎と一緒にベッドに潜り込んだ。
「…慈郎さんって、甘えん坊だったんですね」
寒い日にアナタを抱いてると、本当に猫を抱いてるみたいだ と言って彼は笑った。


ずきん。
決して酷くされたわけじゃない、むしろ日吉はずっと優しい ―最初にした時からずっと。
なのに何故か胸がイタくなる。
もうこんなことをはじめてどれくらい経ったんだろう。
たぶんまだ1ヶ月とかそのくらいだと思う。
何となく始まってしまったことだけど、どうして自分は抱かれているんだろう。
日吉の方にはちゃんと理由がある。
滝を忘れるため、滝のことを考えないため、他で紛らわすため―‥
それじゃあ、自分は?
あの時YESと返事をしたのはどうしてだった?

胸がイタイならもうやめたらいい。
もうそろそろいいだろう、やめよう、とひとこと言いさえすれば。
でもそれは出来なかった。
どうしてなのか判らなかったけれど、出来なかった。








「…ねぇ跡部」

「…跡部はどうして宍戸が好きなの?」

膝を抱えて目を伏せる自分の幼なじみを、跡部は怪訝な顔で見つめた。


練習後の部室。
たまたまふたりになったのを見計らって、慈郎は思い切って聞いてみたのだ。



「…何だジロー、好きなやつでも出来たのか?」

自分より10センチ以上小さい彼の頭にそっと手を乗せる。
慈郎はその大きな瞳でじっと跡部を見るととても小さな声で、別にそんなんじゃないけど、と言った。


「…跡部さ、宍戸とシタのって付き合ってから?」
「したって…何を?」
「だから、ソーユーコト。」
「そうだよ」

けろっと跡部は言った。

「…でもお前、何でそういうミョーなこと聞くんだよ」
「…ミョー、かな」

そりゃそうだろ、付き合ってもいないのに普通はそういうことはしねえよ とそこまで言って跡部はふと真剣な顔で慈郎を見た。
自分の知っているいつもの彼とは少し違う気がしたから。
少なくともこんな切なげな表情を見たのは初めてだ。


「…お前にそんな顔をさせるヤツはちょっと許せねぇな。誰かに何かされたのか?」
「違うよ」
「本当だな?」

きっと本当のことを言ったら跡部は日吉をぶん殴るに違いない。


「(…過保護なんだ、跡部は)」


何かされたも何も、付き合ってもいないのに‥―
誰かのかわりに…抱かれているなんて。



「それより、さっきの質問に答えてよ。宍戸のどこが好きなの?」
「どこって言われてもな…」
「でも宍戸じゃないと駄目だったわけでしょ?」
「駄目ってことはねぇよ」

慈郎が詰め寄ると跡部は笑った。

「そうなの?」
「だっていつ誰を好きになるかなんて判らないだろ?」



「…ただ今は アイツが可愛いから気に入ってる」


慈郎は目を丸くした。

宍戸が可愛い??
自分はそんなこと一度だって思ったことがない。


「(…そーか、それが恋なんだ)」



跡部にとっては、宍戸がアイドルの誰かみたいに可愛く見えてるんだ。
(←それはかなり間違えている…!)
滝は確かにきれいだけど、たぶん日吉にはその何倍も何倍も綺麗に見えているに違いない。



自分は…
日吉のとっての自分は…


猫みたいだ、と言った日吉の顔が頭に浮かぶ。



自分はただ、動物みたいに可愛がられているだけなんだ。
それも滝のかわりに。
そう思うととても悲しくなった。

どうして悲しくなるのか、その理由は考えたくなかった。
悲しくて胸が痛くて、それでもそばにいたい。


…考えたくないけど、間違いなく。


日吉が好きなんだと確信するしかなかった。







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どんなに…どんなにジローが可愛くてプリチーでちっちゃくてねこっ毛でも(以下略)、
女の子みたいに柔らかいわけはないから!!!
(つД`)
痛くないとか…そんなわけないし。(きっぱ)夢を見るのも大概にしてください彩霖さん(土下座)

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ(うるさいよ)
久しくこういう受キャラを書いていなかったので嬉しくて調子にのってしまいました(死ね)

私は…城海やってるときは、
受というものは肌が白くておめめがデカくてちっこくて細くて髪の毛がさらさらで…
俗に言う顔が綺麗な方がそりゃあいいだろうと思ってたんですが、
城海やめてからそんなこといっそ潔いほど思わなくなりました。(きっぱ)
むしろ
そういうのが受の基準ではないと気付いたというか。(意味が判らん)
だからそういう受の美しさをアピールするような情景描写は城海やめてからほとんど書いてません。皆無。
くだらない。(きっぱり)
あ、そういや牛尾のときだけは書いたけどw(おい)
だから受に綺麗さを求めてる人を見ると青いなーとか思うまでになってしまったんですがw(お前、マジで何様だよ)
何とゆーかジローは久々にそういう描写をしたくなる存在なんですよー(結局それかよ!!)
あー可愛いなージローは可愛いなー(うるさいよ!!)
余りのジローの可愛さにこんな妙なことを書いたというか。(言い訳はもういいから)
ああでもジローはぜったいふわふわに違いない…!!!(何が…;;;)

つかもはや脳内設定だらけの小説ですね。しかもまだ続くw
まぁ何度も言うけど彩霖さんは捏造の世界で生きてゆくので気にしません(マジで少しは気にしろよ)
ジローの喋り方が違うとか気にしません(しろよ!!!!Σ(゜Д゜;))