きらきらしたパッケージの何だか良く判らないものを別れ際に投げつけられて、何が何だか判らないまま家に帰ってから開けてみたら、きんいろやにじいろの紙に包まれた高そうなキャンディがたくさん入っていた。
反射的にカレンダーを見上げて初めて気がついた。


―3月14日。


「ホワイトデーだ…」






Candy








跡部がバレンタインのお返しをくれるなんて話は聞いたことがなかった。
最も彼は意外と律儀だし、今までも貰ったぶんは何だかんだ言ってきちんとお返しをしていたのかも知れない。
ただ彼はいつもひたすら奉仕されているのが似合う男だし、自分もバレンタインにチョコレートを強引に押し付けてしまったらすっかり満足してお返しのことなんてさっぱり忘れていた。


キャンディは甘くて、でもしつこくなくて、跡部らしい高級品のようだった。
食べるのがもったいないくらい嬉しかった。
食べ終わったあとの色とりどりの包み紙を飽きるくらい眺めていて、ふと お礼も言わないで受け取ったことを思い出す。


(だってまさか跡部がお返しくれるなんて思わなかったから…)





携帯電話に手を伸ばす。
本当は声を聞きたかったけれど、それは抑えてメールにすることにした。
今声なんか聞いてしまったらもの凄く逢いたくなるに決まっているから。
ついさっきすぐそこで別れたばっかりなのに。
跡部が溜息をつきながらそっと引いてくれた指先の温もりが酷く恋しい。




『アメありがとな!!』


送信してから3分もしないうちに返事が返って来た。
律儀な跡部らしい。


『うまかっただろ?お前のチョコは甘すぎてとても食えたもんじゃなかったからな』



(…え?)



『おまえ、オレがやったチョコ食ったの?』

『…捨てるわけにもいかねーだろ』



それは答えになっていなかったけれど。
跡部が自分のチョコを食べてくれたんだと確信して宍戸は震えた。



(嘘…)



あの日―‥
―2月14日、バレンタインデー。
しぶしぶチョコレートを受け取った跡部を思い出す。
別に、期待なんかしてなかった。
甘いものが嫌いな跡部が食べてくれるとも思っていなかった。
おまえはぜったいすてたりしない、とか何とか言ったアレは間違いなく強がりというやつで。
本当は最悪捨てられることを覚悟して贈ったチョコだったのだ。




『…おまえ、オレが本気で捨てたと思ってたのか?』

『てゆーか…とりあえず食べはしなかっただろうと思ってた…』



せっかくメールにしたのに、何の意味も無かった。
今すぐ顔が見たくなって、携帯を握り締めて家を飛び出す。



『…何故だ?』



橋を越えて交差点を越えて公園を越えて。



『…だって、だって跡部、甘いの嫌いだし』

『それで?』



ただ真っ直ぐ恋人の家まで走る。



『すげー嫌そうだったし』

『それから?』



大きな家の大きな玄関に辿り着いてほっと一呼吸して、彼の部屋の窓の方角へ。



『…そんなに俺のこと好きだなんて知らなかった』



大嫌いな甘いものを食べてくれるくらい―‥



『何だソレ。何でそんな話になんだよ(笑)』





(だって。だって。だって―‥)





「跡部!ごめん!!」



突然窓の外からたった今メールをしている筈の恋人の声が飛び込んで来て、跡部は勢い良く携帯電話を落っことした。



「…宍戸!?」

「跡部!俺…跡部のことぜんぶ判ってるつもりでぜんぜんわかってなかった!」


ガラリと開けた窓の外で、夢でも幻でもない彼の恋人は瞳を潤ませて何かドラマのようなことを叫んでいた。



「ちょ…てめぇとりあえず黙れ!!今そっち行くから!!」


宍戸が何を血迷ってるのか知らないがとりあえず恥ずかしいことを叫ぼうとしていることは明白だ。
広い広い自宅をこの時ほど忌々しく思ったことはない。
いつもより数倍遠く感じた玄関を抜けて、辿り着いた先にいた宍戸は大きな目に涙をためてこちらを見た。



「…どうしたよ」

ちょっと歩み寄ると宍戸は無言で跡部に抱きついた。


「…おまえ、俺のこと好きだったんだな」
「…今更何言ってんだ」

跡部は呆れて言った。


「…うん、そーなんだけど」
「…つーかマジで捨てたと思われてたとはな」
「…俺間違ってなかった」
「人の話聞けよお前」
「おまえはぜったい俺のことすきだって判ってた」


宍戸は支離滅裂なことを言ってぽろぽろと涙をこぼした。


(バカなやつ…)

告白してきた時もバレンタインの時も そして今も、本当は不安でしょうがなかったことくらい知ってる。
自信なんかほんのちょびっとしかなかったことくらい知っている。



「…悪かったよ」

跡部は宍戸の頭を撫でた。
何故自分が謝らなければならないのか謎だったけれど。


「…ちゃんとお前のこと好きだから」

「だから俺がどんな態度とっても信じてろ」


そっと口唇を塞いで、小さな声で耳元で囁く。
ついでに一言付け加えた。


「…好きでもない男抱けるわけないだろ」

「…女は?」
「…お前なぁ」



はぁ。いつまで経ってもこうなんだ。
面倒くさい。
本当に女を相手にしてるような気分だ。


(お返しなんかやるんじゃなかったな…)


それでも自分を見上げる潤んだ瞳に、溜息をついて答えてしまう。



「バレンタインの日に言っただろ?もう忘れたのか?俺は男だろうが女だろうが、他人に興味は無いんだよ」


「―お前だけだ。そう言っただろ?」




その答えが聞きたかったとばかりに、宍戸は向日葵みたいに笑って跡部の口唇を塞いだ。


(ホント、判りやすいやつ…)


(お前のほしいもの全部ばればれだ…)







甘いキャンディ・甘い言葉・甘いキス


―甘い甘い、僕のキャンディ




あ…あたま弱ッ!!_| ̄|○ つかラブッ!Σ(゜Д゜;)
なんか意味もなくひらがなと乱用してますけどあんま気にしない方向で…(土下座)
もうスルーしてくださいスルー‥_| ̄|○ 跡部が甘いもの嫌いとかいうのもMY脳内設定なのでスルーで…
つかタイトルそのまんまですみまs…ガク(瀕死)
アメっていうよりは、「甘いもの」とか「砂糖漬け」とかいう意味にとってください…ガク(瀕死←2回目)
最後の一文とかは、もうマジで見なかったことに(土下座)

テニスって結構メールの話とか多い気がするので私も書いてみたんですが。(ふーん)
つーか宍戸ますます粘着女化w(うけない)
つかどう見ても宍跡みたいな跡宍には見えません先生!!(ノД`)
わたしは言ってることとやってることが違うなぁヽ(゜∀。)ノ(ヤケクソ)

いちおうat leastの続きなんですよ…
ちょっと判りにくいけど宍戸は跡部の言葉とか態度が欲しいだけなんでつよ…。微妙な確信犯っつーか何つーか…(謎)
しかしオチが同じってのはどうかと_| ̄|○(真顔)
つか跡宍とかいう以前に、世間からかけ離れすぎかと(真顔)
あーもう宍戸がおなごのようです_| ̄|○(死ぬべき) つかまんまおなご_| ̄|○
これで宍跡とか好きなんですよS霖さんてば!!信じられないねヽ(゜∀。)ノアヒャヒャ (ヤケクソ)

つか書いといて何ですが跡部と宍戸んちは近いんですかね?(知らんし)
幼馴染設定だったら近いんかな?私は中学生=家が近いの法則(何)で書いたんだけど何せ氷帝だし_| ̄|○
私の出身校みたいに、隣の小学校に身体測定の道具を借りに行くような貧乏公立じゃないしな…(貧乏すぎ)
むしろ氷帝は中学校上がるときにアイツ私立に行くらしいよーえーマジかよ?まーアイツにはその方がいいんじゃねえ?
…とか言われる奴らの集まりのような(判りにくいうえお前氷帝ファンに謝れよ!)
でもせっかく中学生なんだから(謎)やっぱ家近くないと!と私の脳内で彼らの家は近いんですが。(また脳内設定かよ)
つか私はマジでワンパターンな小説ばっか書いてますね。まぁそれもスルーで…(流しすぎ)