アナタがいないと生きていけません
アナタがいない世界には何の意味もありません
アナタがもし隣にいなかったとしたら
この世界はどんなにか美しくて
それからつまらないことでしょう
without you
「…跡部がいないと生きていけない」
こんな台詞を中学三年にして言うことになるなんて思いもしなかった。
ブラウン管の中か紙の上でさえあまり見たことのないその台詞を、今宍戸はぼろぼろ涙を零しながら本気で口走っていた。
跡部が返事をしないので、2度も3度も同じことを言った。
「…跡部がいないと生きていけない」
跡部は困り果てて、どうしてこんなことになったんだったっけとただそのことばかりを考えた。
確か些細なことから口論になって、もう別れる、とか何とか口走った…のだと思う。
勿論本気で言ったわけではないのだが、馬鹿の見本市みたいな宍戸は途端にぼろぼろと泣き出して、少女みたいな台詞を吐き出したというわけだ。
(…この場合は俺が悪いのか?)
嘘に決まってンだろ、と一言言えば済むことであることは確実だった。
でも自分のことで目を真っ赤にして馬鹿な女みたいな台詞を吐く宍戸をこのまま見ていたい、という感情が生まれていたことも否定出来ない。
(…このままほっといたらどーなるんだろ)
(捨てないで、何でもするから、とか言い出すのかな…)
跡部がボーっと自分を見ていることに気付いて、宍戸はきっと彼を睨み返した。
その大きな瞳を、まるで試合の時みたいに吊り上げて、ボロボロと涙を零しながら跡部の胸ぐらを掴んだ。
「…何見てンだよ」
「…俺がお前にベタ惚れてんのがそんなに面白いのかよ」
…その通りだった。
跡部がまだ黙っていると宍戸は掴んだ襟をそのまま勢い良く引き寄せると酷く乱暴に口唇を塞いだ。
(…なるほど、逆切れるわけね…)
跡部が感心しながら宍戸のキスを味わっていると、宍戸はそのまま跡部の首に抱きついて低い声で囁いた。
「…お前だって俺なしじゃ生きていけないんだよ」
そうなのか?と跡部は不思議に思ったが否定する気にはならなかった。
返事の代わりに宍戸の腰に手を回して今度は自分からキスをした。
宍戸はさっきまでぼろぼろ泣いていたことが嘘みたいにけらけらと笑って、ほらやっぱり、と言った。
何がやっぱりなのか跡部には判らなかった。
でも確かにいないよりはいた方がいいな、とかぼんやりそんなことを考えた。
アナタがいないと生きていけません
アナタがいない世界には何の意味もありません
アナタがもし隣にいなかったとしたら
この世界はどんなにか美しくて
それからつまらないことでしょう
拍手んとこに置いてあった小説。(それはもう判った)
何げに宍戸が可哀相です、というご意見を頂いてしまった不評小説?ですが、私自身は結構気に入ってたりしますw
やっぱり亮ちゃんはこうじゃないとね!(そうか?)というか跡宍がこうじゃないと…(真顔)
ちなみに物凄いハイスピードで書いたので今見ると文がイマイチですな。(もともとお前の文はイマイチだよ)
マ、うちは勢いが命ですから。(むしろそれのみ)
つかうちの跡宍は甘くないのがウリだと思ってたけど(勘違い)、むしろ最近全然甘いような気がして来た…アハハ…_| ̄|○
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