「…今日は、なんでこんなぐるぐる巻きにしてんの?」
ある日のこと、ベッドに押し倒した虚のカラダには首からおヘソが隠れるくらいまでびっしりと黒い包帯が巻かれていたので思わず聞いた。
虚の真っ白な肌がまったく見えていないので勿体ない―と思ったのだが、虚はさも不満げにじとりと自分を見て言った。
「…鏡見てみろよ」
「?」
―と思ってよくよく考えてみると、そもそもぐるぐると巻いていたのは自分の方だった。
「そかー、俺が…今日修業モードだったからな…。なんでこんなガード固いのかと思った(笑)」
「…」
特に着替えたりしているわけではないのだが、その時の状況によって死覇装は微妙に姿を変えることがある。こうゆうのもそのひとつだったりするのだ。
「やっぱ、こっちでのおまえにも変化あるんだなぁ」
「そりゃそうだろ…俺はいちごなんだから…」
「おまえは俺だから…?」
「そぉだよ。なにいまさら…」
何度も軽く啄むようにキスしながら、着物の袖をカラダから外してしまうと包帯がグルグル巻かれた華奢なカラダのラインを見つめる。
「その割には、いろっぽいなー‥と思って」
「?そう?…まぁたしかに、いちごは俺よりかっこよく見えるけど…」
なに言ってんだよ、と額にキスをする。
「おまえなんか、コレで肌なんかぜんぜん見えてないのに俺もう勃ちそうだよ」
「い…いちごこそなに言ってるんだよ!!」
虚は乱暴に言って目を逸らした。
こういう風に―ココロもカラダも結ばれてから何度交わったのかわからないけれど、いつまで経ってもはじめてみたいに反応してくれるのがかわいらしい。
鎖骨のあたりを指で撫でて―つつ、と下におろしていく。
「このへん…昨日いっぱい触ったよな」
「も…変なこと言うなってば!」
「だって、おまえがいつまでたってもバージンみたいにかわいいから…ついいぢめたくなるんだよ」
「バ…バージンなんかじゃねーよ」
「わかってるってv」
黒い布の上からでも判る小さな突起をペロリと舐めたら虚は飛び上がった。
「ひゃッ―ちょ、ちょっと!!コレ取れよ!!」
「うん、取るけど…こういうのもいいかなって…」
「良くない!!」
「直接触って欲しいの?」
「―!」
そう尋ねるとさすがに虚は黙ってしまった。―この子の性格からして、YESとは絶対言わないことがわかっていて聞いた自分は悪いやつかなぁ、と少し思った。
そう、長い間付き合ってずっとカラダを重ねて来たけれど、特殊なエッチのやり方をしたことは殆どない。必要に駆られて目隠しプレイなら昔いちどだけしたけれどこの子は殆ど半泣きだったし、鏡の前で抱こうとしたら全力で逃げられた。
自分もそういう特殊なプレイなんかにこだわりはないしこの子にひどいことは出来ないのでいいのだけれど、ちょっと趣向を変えてみたくなることが全然ないわけじゃない。
包帯の隙間に指を入れてそっと胸を撫でてやる。
「―ぁ、も、やめ、」
「おまえが直接触ってって言うからv」
「言ってねーよ!!」
さすがに怒ったらしく、虚は自分でぐるぐると巻かれた布を解こうとした―のだけれど、必要以上に厳重に巻かれたそれは簡単には解ける気配がなく―むしろゴチャゴチャと絡まってしまう。
「あ、あれ??」
「ヘタだなぁ、貸してみ?」
白い虚を抱き起こして―ぐちゃぐちゃになったそれを解いてやろうと思ったのだが、結構難しい―というか余計絡まってしまった。
「そか、俺もこれ取ったことはないんだ…いっつも身体に戻ったら勝手に着替えてるから…」
「…切った方が早いよ。カッター持ってくる」
「…!!!!」
虚が自分を退かして部屋に戻ろうとしたので、慌てて腕を掴んだ。
「…なに。」
「カッターなんかで切ったらあ、あ、あ、あぶねーだろ!!!おまえの肌に傷でもついたらどーすんだ!!!!」
「大丈夫だって、そんなヘマしないから」
それでも断固として自分が手を離そうとしないので―まどろっこしくなったらしく、虚はちょっと目を閉じると魔法のようにカッターナイフを取り出した。
ここは自分とこの子(…+斬月)の精神世界だからこんなことくらいは出来る。もちろん自分にだって出来るけれど(ちなみに、出来るようになったのは割と最近だ)、必要以外に使うことはないので良く忘れている。
カチカチカチ、と虚がカッターの刃を出したので思わず取り上げてしまった。
「ちょっと!!」
「危ねーって!!せめて俺がやってやるから!!!」
…とは言ったものの、みっちり肌に巻かれている布を切るのは意外と難しい。
「いちご、手ェ震えてるよ。…余計こわいんだけど」
虚は別に怖いともなんとも思っていないような極めて落ち着いた口調で言った。
「貸してってば。…心配しなくても、俺はいちごのものだから。『いちごのもの』にキズつけたりしねぇよ」
「…!」
涼しい顔でそんなことを言ってくれるので(エッチなことはあれだけ照れるくせに!)、なんとなく気圧されてカッターを渡してしまった。
虚は細い指で器用にちりちりと布を切った。本当に刃物の扱いには長けている―‥包丁以外は。
「ほら、出来たよ」
パラパラとベッドに布の断片を散らして―やっとお目にかかれた気がする、透けるような白い肌が顔を見せた。あんまり白くて、いつも童話のお姫様を思い出すけれどもちろん言ったことはない。
「…いちごのも切ってあげようか?」
チラリ、と虚は自分の胸に視線を寄越した。
「うん、じゃあやって」
「手元が狂ったらごめんね」
「王にはキズついてもいいんだ?」
「じょーだんだよ」
虚の白い指がスルリと帯を解いて―自分の死覇装を肩からずらした。
「…おまえに脱がされたのはじめてだな」
「そうだっけ?まぁ別にこのくらいいつでもやるよ」
「なんか新鮮でいいかも」
自分の腕の中で真剣な顔をしているこの子が可愛くて思わず口元が緩む。黒い爪先がカッターの刃を下ろしていくところも、こんなに見たらやりにくいんじゃないかなと思うくらいじっと見てしまった。
「…ふー、終わった」
「ありがとv」
ちゅう、と白いカラダを抱き寄せて額にキスをした。
「…でも、妙に粉々に切ったんだな」
―ここまでしなくても、と思うくらい黒も白も切り刻まれている。
「あぁ…」
白い虚はチラリ、と断片に視線をやった。
「いちごがこれを見てヘンな気になったらヤだから。先に使えないようにしといた」
「変な気ってなんだよ」
「だから、いつかみたいに目ェ隠したりとか…ましてやこれで腕縛ったりとかイヤだし…」
「なるほど…てっきり切り刻むのが好きなおまえの趣味かと…」
「失礼だな!!」
「おまえの方が失礼じゃねーか!!!」
やっとお互いに上半身ハダカになったことだし―お仕置きみたいに念入りにキスしてやる。自分も包帯を外してもらっておいて何だけれど。
「…でも、おまえは俺のものなんだろ?」
「そうだけど。ヤなものはヤなの」
「でも俺は、縄だって首輪だって手錠だって―『ココ』でなら、出そうと思えばもう出せるんだぜ?」
ニヤリと笑って言ってやると虚は眉を顰めた。
「そんなこと言うんならやってみれば?」
「別に俺はそーゆーの興味ねぇよ。おまえがやりたいなら別だけど」
「俺も興味ないよ。じゃあわざわざ言わなくていいのに」
「おまえだって、わざわざ切り刻まなくていいのに」
「「…」」
じゃあ―と、白と黒の破片が散らばったベッドにゆっくり押し倒して前髪を梳いた。
「今日はおまえの希望通りにしてやるよ。どーゆーのがいい?」
「…べつに…ふつうでいいよ…」
「普通?いつもどおりでいいの?いつもみたいに抱き締めて―あいしてるよって言いながらおまえのナカに入ればいい?」
「な、なんでいっつもわざわざ変な言い方すんだよ!!」
「だっておまえがバージンみたいでかわい…」
「違うっつってんだろ!!」
エンドレスな感じになりつつ、結局今日もいつも通りのエッチになるんだろうなぁと思った。
まぁ、自分もこうやって抱くのがいちばん好きで幸せになれるからいいのだけれど。
「はいはい、いつも通りな…」
まだ文句を言い足りなそうな口唇を塞いで、反抗的な指に自分のそれを絡めた。
ある日のこと、ベッドに押し倒した虚のカラダには首からおヘソが隠れるくらいまでびっしりと黒い包帯が巻かれていたので思わず聞いた。
虚の真っ白な肌がまったく見えていないので勿体ない―と思ったのだが、虚はさも不満げにじとりと自分を見て言った。
「…鏡見てみろよ」
「?」
―と思ってよくよく考えてみると、そもそもぐるぐると巻いていたのは自分の方だった。
「そかー、俺が…今日修業モードだったからな…。なんでこんなガード固いのかと思った(笑)」
「…」
特に着替えたりしているわけではないのだが、その時の状況によって死覇装は微妙に姿を変えることがある。こうゆうのもそのひとつだったりするのだ。
「やっぱ、こっちでのおまえにも変化あるんだなぁ」
「そりゃそうだろ…俺はいちごなんだから…」
「おまえは俺だから…?」
「そぉだよ。なにいまさら…」
何度も軽く啄むようにキスしながら、着物の袖をカラダから外してしまうと包帯がグルグル巻かれた華奢なカラダのラインを見つめる。
「その割には、いろっぽいなー‥と思って」
「?そう?…まぁたしかに、いちごは俺よりかっこよく見えるけど…」
なに言ってんだよ、と額にキスをする。
「おまえなんか、コレで肌なんかぜんぜん見えてないのに俺もう勃ちそうだよ」
「い…いちごこそなに言ってるんだよ!!」
虚は乱暴に言って目を逸らした。
こういう風に―ココロもカラダも結ばれてから何度交わったのかわからないけれど、いつまで経ってもはじめてみたいに反応してくれるのがかわいらしい。
鎖骨のあたりを指で撫でて―つつ、と下におろしていく。
「このへん…昨日いっぱい触ったよな」
「も…変なこと言うなってば!」
「だって、おまえがいつまでたってもバージンみたいにかわいいから…ついいぢめたくなるんだよ」
「バ…バージンなんかじゃねーよ」
「わかってるってv」
黒い布の上からでも判る小さな突起をペロリと舐めたら虚は飛び上がった。
「ひゃッ―ちょ、ちょっと!!コレ取れよ!!」
「うん、取るけど…こういうのもいいかなって…」
「良くない!!」
「直接触って欲しいの?」
「―!」
そう尋ねるとさすがに虚は黙ってしまった。―この子の性格からして、YESとは絶対言わないことがわかっていて聞いた自分は悪いやつかなぁ、と少し思った。
そう、長い間付き合ってずっとカラダを重ねて来たけれど、特殊なエッチのやり方をしたことは殆どない。必要に駆られて目隠しプレイなら昔いちどだけしたけれどこの子は殆ど半泣きだったし、鏡の前で抱こうとしたら全力で逃げられた。
自分もそういう特殊なプレイなんかにこだわりはないしこの子にひどいことは出来ないのでいいのだけれど、ちょっと趣向を変えてみたくなることが全然ないわけじゃない。
包帯の隙間に指を入れてそっと胸を撫でてやる。
「―ぁ、も、やめ、」
「おまえが直接触ってって言うからv」
「言ってねーよ!!」
さすがに怒ったらしく、虚は自分でぐるぐると巻かれた布を解こうとした―のだけれど、必要以上に厳重に巻かれたそれは簡単には解ける気配がなく―むしろゴチャゴチャと絡まってしまう。
「あ、あれ??」
「ヘタだなぁ、貸してみ?」
白い虚を抱き起こして―ぐちゃぐちゃになったそれを解いてやろうと思ったのだが、結構難しい―というか余計絡まってしまった。
「そか、俺もこれ取ったことはないんだ…いっつも身体に戻ったら勝手に着替えてるから…」
「…切った方が早いよ。カッター持ってくる」
「…!!!!」
虚が自分を退かして部屋に戻ろうとしたので、慌てて腕を掴んだ。
「…なに。」
「カッターなんかで切ったらあ、あ、あ、あぶねーだろ!!!おまえの肌に傷でもついたらどーすんだ!!!!」
「大丈夫だって、そんなヘマしないから」
それでも断固として自分が手を離そうとしないので―まどろっこしくなったらしく、虚はちょっと目を閉じると魔法のようにカッターナイフを取り出した。
ここは自分とこの子(…+斬月)の精神世界だからこんなことくらいは出来る。もちろん自分にだって出来るけれど(ちなみに、出来るようになったのは割と最近だ)、必要以外に使うことはないので良く忘れている。
カチカチカチ、と虚がカッターの刃を出したので思わず取り上げてしまった。
「ちょっと!!」
「危ねーって!!せめて俺がやってやるから!!!」
…とは言ったものの、みっちり肌に巻かれている布を切るのは意外と難しい。
「いちご、手ェ震えてるよ。…余計こわいんだけど」
虚は別に怖いともなんとも思っていないような極めて落ち着いた口調で言った。
「貸してってば。…心配しなくても、俺はいちごのものだから。『いちごのもの』にキズつけたりしねぇよ」
「…!」
涼しい顔でそんなことを言ってくれるので(エッチなことはあれだけ照れるくせに!)、なんとなく気圧されてカッターを渡してしまった。
虚は細い指で器用にちりちりと布を切った。本当に刃物の扱いには長けている―‥包丁以外は。
「ほら、出来たよ」
パラパラとベッドに布の断片を散らして―やっとお目にかかれた気がする、透けるような白い肌が顔を見せた。あんまり白くて、いつも童話のお姫様を思い出すけれどもちろん言ったことはない。
「…いちごのも切ってあげようか?」
チラリ、と虚は自分の胸に視線を寄越した。
「うん、じゃあやって」
「手元が狂ったらごめんね」
「王にはキズついてもいいんだ?」
「じょーだんだよ」
虚の白い指がスルリと帯を解いて―自分の死覇装を肩からずらした。
「…おまえに脱がされたのはじめてだな」
「そうだっけ?まぁ別にこのくらいいつでもやるよ」
「なんか新鮮でいいかも」
自分の腕の中で真剣な顔をしているこの子が可愛くて思わず口元が緩む。黒い爪先がカッターの刃を下ろしていくところも、こんなに見たらやりにくいんじゃないかなと思うくらいじっと見てしまった。
「…ふー、終わった」
「ありがとv」
ちゅう、と白いカラダを抱き寄せて額にキスをした。
「…でも、妙に粉々に切ったんだな」
―ここまでしなくても、と思うくらい黒も白も切り刻まれている。
「あぁ…」
白い虚はチラリ、と断片に視線をやった。
「いちごがこれを見てヘンな気になったらヤだから。先に使えないようにしといた」
「変な気ってなんだよ」
「だから、いつかみたいに目ェ隠したりとか…ましてやこれで腕縛ったりとかイヤだし…」
「なるほど…てっきり切り刻むのが好きなおまえの趣味かと…」
「失礼だな!!」
「おまえの方が失礼じゃねーか!!!」
やっとお互いに上半身ハダカになったことだし―お仕置きみたいに念入りにキスしてやる。自分も包帯を外してもらっておいて何だけれど。
「…でも、おまえは俺のものなんだろ?」
「そうだけど。ヤなものはヤなの」
「でも俺は、縄だって首輪だって手錠だって―『ココ』でなら、出そうと思えばもう出せるんだぜ?」
ニヤリと笑って言ってやると虚は眉を顰めた。
「そんなこと言うんならやってみれば?」
「別に俺はそーゆーの興味ねぇよ。おまえがやりたいなら別だけど」
「俺も興味ないよ。じゃあわざわざ言わなくていいのに」
「おまえだって、わざわざ切り刻まなくていいのに」
「「…」」
じゃあ―と、白と黒の破片が散らばったベッドにゆっくり押し倒して前髪を梳いた。
「今日はおまえの希望通りにしてやるよ。どーゆーのがいい?」
「…べつに…ふつうでいいよ…」
「普通?いつもどおりでいいの?いつもみたいに抱き締めて―あいしてるよって言いながらおまえのナカに入ればいい?」
「な、なんでいっつもわざわざ変な言い方すんだよ!!」
「だっておまえがバージンみたいでかわい…」
「違うっつってんだろ!!」
エンドレスな感じになりつつ、結局今日もいつも通りのエッチになるんだろうなぁと思った。
まぁ、自分もこうやって抱くのがいちばん好きで幸せになれるからいいのだけれど。
「はいはい、いつも通りな…」
まだ文句を言い足りなそうな口唇を塞いで、反抗的な指に自分のそれを絡めた。