「おまえさぁ、なんで他のやつとヤんだよ?」
「はぁ?」
服を脱がしかけた指を途中で止めて真顔で言われたので、思わず相手の顔を見返してしまった。
「だから、俺だけで良くね?」
そんなことを言われたのは初めてだったので面食らってしまった。―最初は何を言われているのか判らなかったくらいだ。
グリムジョーはさも不満そうに、斑点が散らばった自分の肌をじろじろと見ながら―痕跡をピン、と爪で弾いた。
「痛ッ!」
「俺の心の方が痛いっちゅーの」
―さも傷ついたみたいに言うので意外だった。
「ちょっと待った。つまりおまえは俺だけなのかよ?」
「…そうだよ」
まさかYESと言われるとは思わずに、アーロニーロは飛び上がりそうになった。ここにはこれだけの元死神やら破面やらが揃っているのにもったいない、と思わず思った。
「それって俺のことが好きってこと?」
「…そのへんはわかんねーけど、とにかく俺はおまえだけなんだからおまえも俺だけにすべきだろ」
「だって俺は、おんなじやつばっかじゃ飽きるし」
「テメー‥」
押し倒されて服を全部剥かれてしまう。
「…俺も良くわかんねーけど。テメーを独占したいってことはテメーのことが好きなのか?なぁアーロニーロ」
「そんな切羽詰ったみたいな目で見んな!!変な気になるだろ!!!」
「変な気ってどんな?」
こういうのは口説かれているうちに入るんだろうかとアーロニーロはぼんやり思った。
「知るか!!…イヤならテメーも別のやつとヤればいいだろ。ウルキオラとか…いろいろいるじゃねーか」
「冗談言うな!ウルキオラとだけはねぇから!!だからテメーは俺だけにしよーって気はねぇのかよ!!」
「…」
思わず少し考えた。
確かに自分は誰のことも愛しているわけではないし、こいつがあらゆる手を尽くして満足させてくれるというのなら彼だけにしたって何の支障もない。
…とそこまで考えて、そういえば自分にはまだ海燕がいたことを思い出した。
―ヤだ、海燕とはシたい。
「あー‥やっぱムリだわ。悪い」
「なんだ今の間は!!!」
「うん、だから一瞬それでもいいかなって思ったけどやっぱムリだった」
「つまり誰かいるんだな!どーでもよくないやつが誰かいるんだな!!誰だよ!!」
「誰でもいいだろ!!」
「テメー‥」
グリムジョーは乱暴に口付けながら―それなら力尽くでもう俺としか寝ない、って泣きながら言わせてやる!とかなんとか言った。
(…やれるもんならやってみれば)
***