skin-ship




「…」

通りすがりの公園で彼を見つけた。


「…切原さん」
彼は大きな瞳を鬱陶しげに開いてこちらを見た。
そしてまたお前か、とでも言うように溜息をついて言った。


「…んだよ越前。何か用か?」
「いや、たまたま通りかかって…部活は?」
「…そっちこそ」
「…」
「…」


越前はそそくさと彼の隣に腰を下ろすと、飲みます?と言ってペットボトルを差し出した。


「…お前、何ちゃっかり隣に座ってんの」
と言いつつも切原はペットボトルを受け取ると口をつけた。


「全部貰っていいか?」
「えー、1口くらい残しといてよ」
「ンだよケチ」

きっちり1口ぶん残してペットボトルを返すと越前は、切原さんと間接キスだね、とか言ってそれを飲み干した。


「…何ガキみたいなこと言ってんだ」
「いっこしか違わないデショ」
「いっこ違えば十分なんだよ」
「…」
「…」


どーもお前とは会話が続かねぇな、と切原は言った。


「…もともと俺はそんなに喋る方じゃないし。切原さん、年上らしく話題を提供してよ」
「は?何で俺が…」

それでも切原はうむむと唸って、そうそう、部活は結局どうしたんだよ、と聞いた。


「…サボリっス」
「…まぁ、そうだろうな」
「切原さんは?」
「俺んとこはテスト期間中」
「そういや、もうすぐ中間…」
「…マ、俺は勉強は既に捨ててるから」
「…切原さん、駄目な大人になるっスよ」
「俺はテニスさえあればいーの。」
「ふーん…」


越前はカラになったボトルをえいっとゴミ箱に向かって投げた。
それはカラン、と淵に当たって見事にその中に滑り落ちた。



「…それだけ?」
「あ?」
「…本当にテニスだけッスか?」
「?」
「…切原さん、スキなヒトとかいないの?」


好きな人ねぇ、と彼は言った。


「…憧れてる人ならいるけど」
「…」
「…お前だって部長には憧れたりするだろ?」
「…(…部長はそんなんじゃないし。だいたい絶対そのうち俺が負かすし)」
「うちの部長は凄えんだぜ?お前んとこの部長の1000万倍くらい」


退院したら、お前ら泡噴くぜ、と切原は笑った。


(なんだもうお手つきか…つまんないの…)


「…その部長のこと好きなんスか?」
「そ、そんなこと考えたこともねえよ」
「キスくらいもうした?」
「な、何言ってんだよ!」


みるみる赤くなったその頬に越前は手を伸ばした。


「…な、何だよ」
「切原さん、可愛いッスね」
「は?お前さっきから何言って…」
「…キスしてもいいッスか?」
「は!??」

目をチカチカさせて動揺している切原を尻目に、越前はその白い頬に掠めるような軽いキスをした。


「てめっ…」

右ストレートが飛んできたので間一髪で避ける。


「何すんだよ!」
「キス」
「てめぇ」

本当は口唇にしたかったんだけど彼氏に悪いし、と越前は笑った。


「部長はそんなんじゃねえよ!!」
「…じゃあ俺が貰ってもいいの?」
「…」
「…アンタのココロもカラダも」
「…」
「欲しいって言ったらどうする?」



切原は目が充血しそうなくらい越前を睨みつけた。
こわいこわい、と越前は笑った。





「…切原さん、愛してるよ」


「覚えといて」





越前はひらひらと手を振って呪文みたいにそれだけ言って去って行った。



「…何だったんだ」



アイシテル、なんて聞いたこともない言葉。
微かに口唇が触れた部分が火傷でもしたんじゃないかと思うくらい熱かった。




(キスなんか、したことあるわけないだろ…)


(バッカじゃねえの…)





とりあえずいったいどの辺がスキンシップなんデスカー!!??
_| ̄|○
まぁ私のいちばん得意とするかんじの話ですね(そうか??)
とりあえず通りすがりの公園で東京都民と神奈川県民が会うわけないけど流してください(流せない)
つかこれ書いたの2ヶ月前くらいだと思うけど(多分)その間に私の書く赤也のキャラが変わってるような気が……(行く末を案じ無口)

それはそうとリョ赤と幸赤両立出来そうにねぇ!って悩んでたけど(悩んでたんか…)、
何かリョ赤本と幸赤本を出したら妙にふっきれて今後は割り切って書けそうです(オイ)
これからは両想いのリョ赤もばんばん書きたいところ(はぁ…)
つーかリョ赤ってマイナーだったんだね…_| ̄|○(何を今更)
根拠もなくそこそこメジャーだと思ってた(馬鹿なんですか?)
なんでーえーなんでなんで(うるさいよ!)
なんだよみんな、
おおとりが「宍戸さん」って言うのには萌えて越前が「切原さん」って言うのには萌えないの!!!???
そんな世の中許せねーーーーーーーーーーーーーー!!!!(いや、別にあんたに許されなくても…)
(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア(いや、そう萌えられても…)