nevertheless




「幸村せんぱーい!」

その後輩は、他の誰よりも良く自分に懐いていた。
年はひとつしか違わないけれど、大きな瞳と小柄な身体が彼を随分と子供に見せた。


「赤也」
「えへへ今日も勝ったッスよ!」

その後輩―切原赤也は、そう言って自分の腕に飛びついて来た。


「赤也は幸村がお気に入りじゃの〜」
同級生の仁王がニヤニヤと切原の頭を撫でた。

「仁王先輩には柳生先輩がいるじゃないスか」
「勿論、アイツは俺のじゃけー手ェ出すなよ?」
「仁王くん!何言ってるんですか!」

遠くから目聡く聞きつけた柳生が声を荒げる。
幸村はそのやり取りを聞いてクスクスと笑った。


「仁王、赤也も俺のだから手出しちゃだめだよ」

後ろから切原を抱き締めて言ってやる。

「おっ、赤也良かったな〜」
「せ、せんぱ…///」
「赤くなりおって〜可愛いヤツ〜」
「手出しちゃダメだってば」

自分の腕の中で真っ赤になる切原。
本当に、判りやすくて可愛いと思う。






「幸村…赤也は立海の成長株なんだからあんまり甘やかすなよ」
部活後のロッカーの前で、真田に声をかけられた。

「真田ってば、俺は甘やかしてなんかないよ」
「…特別な感情を持つなとは言わないが…」
「あれ?俺もバレてた?俺も大概判りやすいのかな」
「…赤也は才能もズバ抜けているが…それ以外のものも持っている…お前も気付いてるだろう?」
「何の話?」
「…万が一の時のためには、そういう相手がいた方がいい…」
「…」
「…赤也を支えてやってくれ」


幸村は質問には答えないで、じとりと彼を睨んで聞いた。

「…真田、まさかキミ赤也が好きなんじゃないだろーね」
「な、何を言っている!俺は赤也の先輩としてだな…」
「ならいいや」

くるりと背を向けてから、一言だけ呟くように口にする。


「キミの言ってること、良く判んないけど」
「…」
「…赤也はイイ子だよ。俺が保証する」
「…そうか」
「じゃ、お疲れ」
「ああ…」



部室を出るとうわさをしていた後輩が、出てすぐのところにある木に寄りかかっていた。
自分が出て来たのを見つけてその顔がぱあっと笑顔になる。


「せんぱい!」
「赤也、待っててくれたの?」

切原はちょこちょこと寄ってきて、ハイ、と小さな声で言った。

「…練習は楽しい?」
「勿論ッス!」
そう、良かった、と笑うと切原も眩しいくらいの笑顔で笑った。


「でも試合に出たいッス〜」
「赤也の腕なら、ぜったい2年になったらレギュラー獲れるよ。俺が保証する」
「幸村先輩にそう言って貰えると心強いっスv」




校門を出たところで、幸村はそっと切原の手を取った。

「…せんぱ…//」
「誰も見てないから大丈夫だよ」

ニコリと笑ってみせると、真っ赤になってコクンと頷いた。
本当に可愛い子。


「…赤也は、テニスが好き?」
「当たり前っス…!…なんでっスか?」
「ううん、いつも楽しそうに練習してるからよっぽど好きなのかなって」


(…それだけ聞けば十分)

真田の言ってたことも判らなくはない。
知らないフリをしたけど、彼の中にある危険性に気付いてないわけはなくて。


(…それでも、これから先何があっても…俺だけはキミの味方だよ)



「あ、そうそう真田には気をつけてね…もしかしたら赤也のコト狙ってるかも…」
「ええっ!?そうなんスか!?」
「いや、判んないんだけどさ…」
「ひぇー、勘弁して欲しいッス…」
「大丈夫だよ、俺が守ってあげるから」
「えっ…せんぱ…///」



(…うん、何があっても俺が守ってあげる)


後輩の小さな手をきゅっと握り締めて坂道を歩く。
微かな誓いをその胸に秘めながら。




とりあえず、私は真田ファンに死んで謝るべき(真顔)
つか幸村って、よそのサイトさんでは意外と厳しさも持った人に書かれてるんですよね〜(そりゃそうだろ)
まぁあの立海を束ねてる人だから当たり前なんだけど。
でも私の中の幸村は何があっても赤也たんの味方っていうか…(謎)
赤也の全てを受け入れるっていうか…。(はぁ)全力で守るつもりだったのに、病気によってそれは断たれたというか…(ノД`)
おかげで赤也自分の力で乗り切っちゃったよ!みたいな。(それはそれでめでたいですがね!)
つかあれは乗り切ったんだよね??そういうことだよね?許斐の描き方良く判らな(ry)
このふたりがしあわせになるのはこれから先だよねッΣd(゚∀` )(遂に電波に)
そうそう、
真田さんが好きなのは赤也じゃなくって幸村ですよ(ええっΣ(゜Д゜;))
ゆっきーは気付いてないみたいだけどw ゆっきー冷たいし、真田…不憫_| ̄|○
この時ゆっきーは(真田も)2年でまだ(副)部長じゃない設定。(どうでもいい)
タイトルは「それでも」って意味ですYO。
しかし仁王語が判らん…_| ̄|○