「―なに見てんの?」
ある夜、部屋の鏡をボケーっと見ていたら気付いた一護が不思議そうに尋ねた。
触れた指の下で、鏡は部屋の照明をきらきらと反射しながら自分がなぞった指の軌跡を追いかけて来る。
屋根の下に住むまでは実際に見たこともなかったもの―「これ」もそのうちのひとつだった。
「…俺さぁ、ほんとにいちごとおんなじ顔してんだと思って。」
鏡の中の自分の輪郭に触れてみる。時折イチゴ…と主の名前で呼ばれることもあるけれど、こんなにもまったくおんなじ姿をしていたらそれも無理もないのかも知れない。
鏡に映すように―とは良く言うけれど、確かに自分は一護を鏡に映したような存在だなぁと変に納得してしまう。
「…そりゃ頭では判ってたけど、鏡なんかみたことなかったんだもん。いちごが見てるとこをこっち側から見てたことならあるけど…その場合は映るのいちごでしょ。自分がどんな姿してるのかなんて別に興味もなかったし」
なんだよいまさら、と一護が笑うので思わず真剣に答えた。
ちょっと瞬きをすると銀色の鏡の中で、一護そっくりの自分が真似をするように同じことをする。
一護のそれと同じ長い睫毛がぱちぱちと上下に揺れて―睫毛の先まで銀色なんだな…とか、寝た男なんかは必ずと言っていいほど口にしたものだけれど、本当に銀色なのだから実はびっくりした。
「おまえの…」
一護は手を伸ばして自分の髪を梳いた。
「この髪もカラダもみんな俺から出来てるんだから―おまえはぜんぶ俺のものだよな?」
「それでいいよ。どーせ俺は一度死んだみたいなもんだし。ぜんぶいちごの好きにしていーよ」
「そーゆー言い方はやめろよな〜」
一護はちょっと不満げに眉を顰めたけれど構わずに言葉を紡いだ。
「せっかく好きにしていいっつってんだからしたらいいじゃん」
「あのなぁ、あんまりそんなこと言うと孕ませるぞ?」
べつにいぃよ(出来るものなら―)、と言おうと思った瞬間口唇に噛み付かれて―目の前の銀色の世界の中で自分たちが口唇を重ねているのが見えた。
(う、わ…)
鏡の中の一護の長い腕が自分の背中に回って、ぎゅうと腕の中に収まってしまう様が―夢か幻みたいに己のこととは思えない。
「ホラ…おまえのカラダ、すげぇ白くて綺麗だろ?」
一護は腰の帯をするりと解いて―鏡で見せつけるみたいに着物の前を開きながら言った。
「…あのね、俺は色白とかゆうわけじゃなくて単にいちごの精神体だから色がないだけで…」
「いーんだよきれいなんだから。」
一護はそんなことは判っているとばかりにしれっと言うと、さっき自分が鏡の上でやったみたいに自分の顔の輪郭をなぞった。
「カワイイ俺…カオもカラダも全部カワイイ…」
「ちょっと…いちごさぁ!そんな風に俺―、とか呼ぶけど俺のこと本気で自分だなんて思ってないだろ!名前みたいに俺って使ってるだろ!」
「だって、『一護』はイヤなんだろ?じゃあ俺でいいじゃん。事実俺なんだし。」
一護は平然として、開けた死覇装を肩までぐいと剥いた。
「ほら、俺とおんなし場所にホクロがあるよ…えっろいの…」
「どのへんがえろいんだよ!むしろいちごの方がえろい触り方して―」
鏡の前でツウ、と糸を引くように肌をなぞられて抗議の声を上げたら、ちゅっとその場所を吸われてビクンとした。
「こんだけ白いからすぐ痕がついちゃうんだよな…」
「っ…」
「ほらもうついた…」
血の気がない自分の肌の上では一護の指は目立ちすぎてしまう。嫌でも示された場所に目が行って―‥たしかに軽く吸われただけなのに、朱い花びらのようなキスの痕がくっきりと残っている。
思わず鏡から目を逸らしたら待ち構えたように一護に口唇を塞がれた。
「いい反応…そんなに可愛かったらもっといぢめたくなっちゃうな…」
「なにへんなことゆって…」
「こっちは恋次がつけたの…?ほんとにヤラシー子」
一護は目敏く耳の後ろなんかについた痕跡を見つけてペロリと舐めた。
「ヤラシーのはいちごだろ!いっつもえっちなことばっかゆうし自分がつけたやつと恋次のやつの区別がつくくらい目敏いし心が広いと見せかけてちっとも広くないし!」
「ひどいこと言うなおまえも。…そんなこと言うとこのまま脚開いちゃおうか?」
そこまで言われてやっと―‥一護がなにをしようとしているのか気が付いた。
「ちょっ…ヤダよこんなプレイ!!」
そういえばいつか鏡張りの部屋に連れ込まれそうになったこともあったっけ。―まだ諦めていなかったらしい。
「今頃気付いてももー遅いよ。カラダはすっかりその気になってるから。ここもほら、俺に触って欲しくてしょーがないって…」
一護の指先がツンと尖った胸の蕾を軽く撫でた。
「やっ―!」
「イイ声…もっと啼いて―?」
「やっやだ…ヘンタイ!!絶対やだやだやだ自分なんか見たら萎える!」
「萎えるって…。俺と同じなんだからいいだろ」
「良くない!」
「…ついさっき好きにしていいって言ったのに」
「言ったけどこれはヤダ!」
「ワガママなやつだな…目隠しプレイはすぐさしてくれたのに。(@whitebox)」
「アレはいちごが勝手にしただけだろ!俺は許した覚えない!とにかくどうしてもって言うならもう終わるまで目ェ開けないから!!それか力づくでも逃げるから!」
「へぇ、この細腕でおまえが俺に勝てるつもり?」
「ちょっと、腕の太さおんなじだろ!?」
「それでも喧嘩だったら絶対に俺の方が強いよ。おまえ斬魄刀は持てても素手で殴ったことなんかないだろ?」
「…!」
―そういえばそうだったかも知れない、と半分諦めて目をギュッと瞑ったら、いきなり腰を抱きかかえられて驚いて目を開けた。
「…わかったよ、そんなに嫌ならこーゆーのはもうしねーから」
「ほんと…?やっぱりヤサシーね、いちご…」
一護はそのままてくてくと奥のベッドまで自分を運んでふわりと下ろした。
「ヤサシーんじゃないの。おまえを甘やかしてるの。…変だな、俺こんなに自分に甘いタイプじゃねーんだけど。確かにおまえの言った通りおまえのこと自分だとはあんまり思ってないのかもな。本気で自分だと思ってたらこんなに…欲しくなんかならないだろうし…」
「…」
「でもおまえもそうじゃねえ?俺の名前で呼ばれたくないくらいだから…自分のこと俺だとはあんまり思ってないんだろ?」
「俺、は…」
そんなことない、とは言えなかった。確かに生まれた時から自分たちは同一人物だと頭では判っていたけど―知識として把握していることとそれを実感することでは違う。
頭から爪先までこんなにもそっくり同じでも―やっぱり心は別々なのだから。
「変だな、間違いなくおまえは俺なのにな…」
「いちご…」
―そんなことは、自分がいちばん判っているはずだった。
自分は正真正銘「黒崎一護」の一部で、一護のためだけに生まれて、一護のためだけに死ぬって。
忘れたことなんかない―つもり、だった。もし忘れてしまったら…『黒崎一護』ですらなくなったら、自分は生まれた意味そのものがなくなってしまう。
でもそれでも…その唯一の存在価値を奪われても構わないと思うくらい、一護に愛されるのは幸福なことだった。きつく抱き締められるともうなんにも要らないと、何度か本気で思った。
「でもさ、別にそんなの関係ねぇよな。おまえが俺だって他の何だって、俺がおまえを好きなことに何も変わりはないから…」
「いち…」
「…ずっと俺が護ってやるからな」
甘い暗示にかけられて、本当にそれでいいような気すらした。
雛鳥のように護られて少女のように大切にされて―さっきまで見ていた鏡の中の自分はそれでもう十分しあわせ…みたいな顔をして一護の腕の中で頬を染めていた。
「―だって俺たちはぜったい死ぬまでいっしょなんだから。」
一護はきっぱり言って優しく口唇を重ねた。
「…ふつーに抱くのはいい?」
「ぅん…」
深いキスで奥まで貪られて、魔法にかけられたみたいに意識がゆらゆらと揺らぐ。
恐ろしいくらいに一護が好きだという気持ちだけに支配されて、それ以外のことはなにもわからなくなってしまいそうだった。
この自分の姿が自らの王を模倣しているだけでも。
中身はなにか邪悪なもののカタマリでも。
一護があいしてくれるならもうなにもかもどうでもいい。
この腕の中にいるとそんな気持ちになってしまってひどく怖くて―でも泣いてしまいそうなくらいにしあわせだった。
*
「ところでおまえはさぁ、なんて呼ばれたい…とか希望はあるの?」
「は?―あぁ名前の話?うーん…別に…」
「やっぱおまえやたら白いし…シロちゃんとか源氏名みたいに呼ぶ?あ、それじゃ冬獅郎とかぶるな。それとも読みは同じで苺ってのはどう?」
「…どっちもヤメテ。」
「そう?なかなかいいと思うんだけど」
「どーでもいいじゃん、名前なんか」
「あのな、おまえが良くても呼ぶ方は結構不便…」
「だって今更名前つけられても…。やっぱり俺はいちごなんだし、俺でいーよ」
「…そう?まぁそうだよな、事実俺なんだしな」
一護はさっき自分で言ったことを繰り返して少し笑った。
むしろ考えてみたら一護以外の人はみんな黒崎か一護、と主の名前で呼ぶなぁ…(恋次なんか何度拒否しても懲りずに呼ぶし。考えてみたら一護だけがこう呼ばないのは自分の希望を聞いてくれるヤサシイ恋人だからだ)と気付いて、今更ながら一護にも同じ名前でいいよ―、と伝えようかと思ったけれど。
いざとなるとなんだか妙に気恥ずかしくて言えなかったから、やっぱり俺でいいやと思った。
***
鏡プレイ初級編。(?)
本番もいつか\(^o^)/(要らん)
しばらく更新サボってたから(まぁ理由は主に4勤2休じゃなくなったからだが←)ほぼ完成してる話が結構あるww
まぁそこからいざ完成させるのに割と時間がかかったりもするが…_| ̄|○
それにしてもまた似たような内容を(以下省略)
ある夜、部屋の鏡をボケーっと見ていたら気付いた一護が不思議そうに尋ねた。
触れた指の下で、鏡は部屋の照明をきらきらと反射しながら自分がなぞった指の軌跡を追いかけて来る。
屋根の下に住むまでは実際に見たこともなかったもの―「これ」もそのうちのひとつだった。
「…俺さぁ、ほんとにいちごとおんなじ顔してんだと思って。」
鏡の中の自分の輪郭に触れてみる。時折イチゴ…と主の名前で呼ばれることもあるけれど、こんなにもまったくおんなじ姿をしていたらそれも無理もないのかも知れない。
鏡に映すように―とは良く言うけれど、確かに自分は一護を鏡に映したような存在だなぁと変に納得してしまう。
「…そりゃ頭では判ってたけど、鏡なんかみたことなかったんだもん。いちごが見てるとこをこっち側から見てたことならあるけど…その場合は映るのいちごでしょ。自分がどんな姿してるのかなんて別に興味もなかったし」
なんだよいまさら、と一護が笑うので思わず真剣に答えた。
ちょっと瞬きをすると銀色の鏡の中で、一護そっくりの自分が真似をするように同じことをする。
一護のそれと同じ長い睫毛がぱちぱちと上下に揺れて―睫毛の先まで銀色なんだな…とか、寝た男なんかは必ずと言っていいほど口にしたものだけれど、本当に銀色なのだから実はびっくりした。
「おまえの…」
一護は手を伸ばして自分の髪を梳いた。
「この髪もカラダもみんな俺から出来てるんだから―おまえはぜんぶ俺のものだよな?」
「それでいいよ。どーせ俺は一度死んだみたいなもんだし。ぜんぶいちごの好きにしていーよ」
「そーゆー言い方はやめろよな〜」
一護はちょっと不満げに眉を顰めたけれど構わずに言葉を紡いだ。
「せっかく好きにしていいっつってんだからしたらいいじゃん」
「あのなぁ、あんまりそんなこと言うと孕ませるぞ?」
べつにいぃよ(出来るものなら―)、と言おうと思った瞬間口唇に噛み付かれて―目の前の銀色の世界の中で自分たちが口唇を重ねているのが見えた。
(う、わ…)
鏡の中の一護の長い腕が自分の背中に回って、ぎゅうと腕の中に収まってしまう様が―夢か幻みたいに己のこととは思えない。
「ホラ…おまえのカラダ、すげぇ白くて綺麗だろ?」
一護は腰の帯をするりと解いて―鏡で見せつけるみたいに着物の前を開きながら言った。
「…あのね、俺は色白とかゆうわけじゃなくて単にいちごの精神体だから色がないだけで…」
「いーんだよきれいなんだから。」
一護はそんなことは判っているとばかりにしれっと言うと、さっき自分が鏡の上でやったみたいに自分の顔の輪郭をなぞった。
「カワイイ俺…カオもカラダも全部カワイイ…」
「ちょっと…いちごさぁ!そんな風に俺―、とか呼ぶけど俺のこと本気で自分だなんて思ってないだろ!名前みたいに俺って使ってるだろ!」
「だって、『一護』はイヤなんだろ?じゃあ俺でいいじゃん。事実俺なんだし。」
一護は平然として、開けた死覇装を肩までぐいと剥いた。
「ほら、俺とおんなし場所にホクロがあるよ…えっろいの…」
「どのへんがえろいんだよ!むしろいちごの方がえろい触り方して―」
鏡の前でツウ、と糸を引くように肌をなぞられて抗議の声を上げたら、ちゅっとその場所を吸われてビクンとした。
「こんだけ白いからすぐ痕がついちゃうんだよな…」
「っ…」
「ほらもうついた…」
血の気がない自分の肌の上では一護の指は目立ちすぎてしまう。嫌でも示された場所に目が行って―‥たしかに軽く吸われただけなのに、朱い花びらのようなキスの痕がくっきりと残っている。
思わず鏡から目を逸らしたら待ち構えたように一護に口唇を塞がれた。
「いい反応…そんなに可愛かったらもっといぢめたくなっちゃうな…」
「なにへんなことゆって…」
「こっちは恋次がつけたの…?ほんとにヤラシー子」
一護は目敏く耳の後ろなんかについた痕跡を見つけてペロリと舐めた。
「ヤラシーのはいちごだろ!いっつもえっちなことばっかゆうし自分がつけたやつと恋次のやつの区別がつくくらい目敏いし心が広いと見せかけてちっとも広くないし!」
「ひどいこと言うなおまえも。…そんなこと言うとこのまま脚開いちゃおうか?」
そこまで言われてやっと―‥一護がなにをしようとしているのか気が付いた。
「ちょっ…ヤダよこんなプレイ!!」
そういえばいつか鏡張りの部屋に連れ込まれそうになったこともあったっけ。―まだ諦めていなかったらしい。
「今頃気付いてももー遅いよ。カラダはすっかりその気になってるから。ここもほら、俺に触って欲しくてしょーがないって…」
一護の指先がツンと尖った胸の蕾を軽く撫でた。
「やっ―!」
「イイ声…もっと啼いて―?」
「やっやだ…ヘンタイ!!絶対やだやだやだ自分なんか見たら萎える!」
「萎えるって…。俺と同じなんだからいいだろ」
「良くない!」
「…ついさっき好きにしていいって言ったのに」
「言ったけどこれはヤダ!」
「ワガママなやつだな…目隠しプレイはすぐさしてくれたのに。(@whitebox)」
「アレはいちごが勝手にしただけだろ!俺は許した覚えない!とにかくどうしてもって言うならもう終わるまで目ェ開けないから!!それか力づくでも逃げるから!」
「へぇ、この細腕でおまえが俺に勝てるつもり?」
「ちょっと、腕の太さおんなじだろ!?」
「それでも喧嘩だったら絶対に俺の方が強いよ。おまえ斬魄刀は持てても素手で殴ったことなんかないだろ?」
「…!」
―そういえばそうだったかも知れない、と半分諦めて目をギュッと瞑ったら、いきなり腰を抱きかかえられて驚いて目を開けた。
「…わかったよ、そんなに嫌ならこーゆーのはもうしねーから」
「ほんと…?やっぱりヤサシーね、いちご…」
一護はそのままてくてくと奥のベッドまで自分を運んでふわりと下ろした。
「ヤサシーんじゃないの。おまえを甘やかしてるの。…変だな、俺こんなに自分に甘いタイプじゃねーんだけど。確かにおまえの言った通りおまえのこと自分だとはあんまり思ってないのかもな。本気で自分だと思ってたらこんなに…欲しくなんかならないだろうし…」
「…」
「でもおまえもそうじゃねえ?俺の名前で呼ばれたくないくらいだから…自分のこと俺だとはあんまり思ってないんだろ?」
「俺、は…」
そんなことない、とは言えなかった。確かに生まれた時から自分たちは同一人物だと頭では判っていたけど―知識として把握していることとそれを実感することでは違う。
頭から爪先までこんなにもそっくり同じでも―やっぱり心は別々なのだから。
「変だな、間違いなくおまえは俺なのにな…」
「いちご…」
―そんなことは、自分がいちばん判っているはずだった。
自分は正真正銘「黒崎一護」の一部で、一護のためだけに生まれて、一護のためだけに死ぬって。
忘れたことなんかない―つもり、だった。もし忘れてしまったら…『黒崎一護』ですらなくなったら、自分は生まれた意味そのものがなくなってしまう。
でもそれでも…その唯一の存在価値を奪われても構わないと思うくらい、一護に愛されるのは幸福なことだった。きつく抱き締められるともうなんにも要らないと、何度か本気で思った。
「でもさ、別にそんなの関係ねぇよな。おまえが俺だって他の何だって、俺がおまえを好きなことに何も変わりはないから…」
「いち…」
「…ずっと俺が護ってやるからな」
甘い暗示にかけられて、本当にそれでいいような気すらした。
雛鳥のように護られて少女のように大切にされて―さっきまで見ていた鏡の中の自分はそれでもう十分しあわせ…みたいな顔をして一護の腕の中で頬を染めていた。
「―だって俺たちはぜったい死ぬまでいっしょなんだから。」
一護はきっぱり言って優しく口唇を重ねた。
「…ふつーに抱くのはいい?」
「ぅん…」
深いキスで奥まで貪られて、魔法にかけられたみたいに意識がゆらゆらと揺らぐ。
恐ろしいくらいに一護が好きだという気持ちだけに支配されて、それ以外のことはなにもわからなくなってしまいそうだった。
この自分の姿が自らの王を模倣しているだけでも。
中身はなにか邪悪なもののカタマリでも。
一護があいしてくれるならもうなにもかもどうでもいい。
この腕の中にいるとそんな気持ちになってしまってひどく怖くて―でも泣いてしまいそうなくらいにしあわせだった。
*
「ところでおまえはさぁ、なんて呼ばれたい…とか希望はあるの?」
「は?―あぁ名前の話?うーん…別に…」
「やっぱおまえやたら白いし…シロちゃんとか源氏名みたいに呼ぶ?あ、それじゃ冬獅郎とかぶるな。それとも読みは同じで苺ってのはどう?」
「…どっちもヤメテ。」
「そう?なかなかいいと思うんだけど」
「どーでもいいじゃん、名前なんか」
「あのな、おまえが良くても呼ぶ方は結構不便…」
「だって今更名前つけられても…。やっぱり俺はいちごなんだし、俺でいーよ」
「…そう?まぁそうだよな、事実俺なんだしな」
一護はさっき自分で言ったことを繰り返して少し笑った。
むしろ考えてみたら一護以外の人はみんな黒崎か一護、と主の名前で呼ぶなぁ…(恋次なんか何度拒否しても懲りずに呼ぶし。考えてみたら一護だけがこう呼ばないのは自分の希望を聞いてくれるヤサシイ恋人だからだ)と気付いて、今更ながら一護にも同じ名前でいいよ―、と伝えようかと思ったけれど。
いざとなるとなんだか妙に気恥ずかしくて言えなかったから、やっぱり俺でいいやと思った。
***
鏡プレイ初級編。(?)
本番もいつか\(^o^)/(要らん)
しばらく更新サボってたから(まぁ理由は主に4勤2休じゃなくなったからだが←)ほぼ完成してる話が結構あるww
まぁそこからいざ完成させるのに割と時間がかかったりもするが…_| ̄|○
それにしてもまた似たような内容を(以下省略)