―こうなることは判っていたのだ。





MAY BE




まさに命が尽きようとしているその瞬間、そんなことを考えて思わず笑みが零れる。
何度形を変えて出会ってみたところで、自分たちの結末はこれしかない。
どんなに引き伸ばしたところで、こうなることは判っていたのに―
それならどうしてあんな関係になったのかと思うかも知れない。
どっちが最初に誘ったんだったっけとかそんなことは良く覚えていないけど。
その手に口唇に、触れてみたいと思ったことは否定しない。
もしかしたら好きだったかも知れないことも否定しない。



せめてこんなに立場が違わなかったら、愛し愛されたこともあった?


そんなことを考えたこともあった。
砂漠の凍えそうなくらい冷たい夜にひとりっきりで。
月を眺め星を数えては、彼への憎しみを募られた。
―それしかすることがなかったから。
それしか生きてゆく糧が無かったから。


でも幾度となく彼と対峙するたびに、ほんの少しだけ思った。
もしもっと普通に彼のそばに生まれていたら。
こんなに立場が違わなかったら。
―もしかしたら、好きになったかも知れない。
どうしてそんなことを考えたのか。
彼の真っ赤な怒りの炎に焼き尽くされたいと思ったのはどうしてなんだろう。
あの時、自分の村を焼いたあの炎と同じ瞳の色―‥



(…もし、もしも「次」があったら、普通にアンタのそばに生まれたい)


いつだったのかもう思い出せないほど遠い昔、今みたいに命尽きる瞬間に、うろ覚えだけどそんなことを願った気がする。
死ぬ前で弱気になっていたのかも知れない。
―でも驚くべきことに、それは叶ってしまった。
それを生まれ変わりと呼ぶことは、全てにおいて間違っていたけど―‥



与えられたかりそめの身体で、バクラは初めて彼に触れた。
それはとても普通の恋人同士とは言えなかったし、愛し合ってたわけでもないし、好きとか言われたことすらもないけど。
でもそんな日常は妙に平和で穏やかで、こんなことを言うのはとても癪に障るけど―‥幸せだったと思う。



いつか来るこの日に怯えながら、終焉の時が刻一刻と近づいて来るのを感じながら。
それはたぶん他の人間に比べたらとても小さい幸せだったけれど、それでも自分は確かにこれを失うことを恐れていた。
出来ることなら来なければいいと―‥たぶん本気で思っていた。
でも、彼と関係を持ち続けた理由はもうひとつある。
彼が自分のことをどう思ってたのか、遂に最後まで判らなかったけど。



―なぁ王サマ、今どんなカオしてんの?




もう見えないけど。
ほんのちょっとでもいいから悲しいとか思ってくれる?
ほんの少しでも愛着のあったオモチャに裏切られたら、少しくらいは傷ついてくれるかと思ったから。
そのためにタイムリミットを伸ばして来たんだから。
1分1秒でも長くそばにいられるように。その分だけ彼の心が、確実に自分に侵食されるように。
あの怒りの炎が燃える瞳に、ほんの少しでもいいから悲しみの影が差すところが見たかった。
―愛して欲しいなんて言わない。愛してくれなくてもいいから。



怒って欲しいだけ
悲しんで欲しいだけ
泣いて欲しいだけ
引き止めて欲しいだけ



拍手に延々と放置してた王バク小説。
タイトルはSOPHIAの「MAY BE」というマイナーな曲から。初期のミニアルバムに入ってたやつ
最後の行の「引き止めて欲しいだけ」ってのもその歌の一小節だったりします(オイィ)
なんていうか今更ながら王バクは奥が深いというか…。(遠い目)
ほんと私はあの頃城海よかもっと王バクを死ぬ気でやるべきでした(それはもういいから)
つか私は何を見てたんだろう?(その話325709375092回くらい聞いた)
バクラを失くして王サマだって悲しいんだけど、バクラはアホの子だから結局王サマが悲しんでたのかすらも判らないんだよね…(オイ
そんな感じの王バクドリーム。
マ、どこまでがバクラだったのか謎だし、いったいいつが最後なのかすらも謎ですが。(そんなんで書くなよ!)
つかバクたん(バクたん!Σ(´∀` ))の村を焼いたのは王サマじゃなくてセトパパンだけどあんまり気にしないように。(矛盾だらけだよ!)
まー王バクに夢見てるってことで流してプリーズ。(流せない)


□追記
これも書いたの04年の夏…?(謎)
つか今見ると何かもう凄いヘタレ小説で書き直したい気持ちでいっぱいなんですが、もう面倒なのでこのままで…(オイ)
あまりのヘタレっぷりにとりあえず壁紙で誤魔化そう大作戦(全然誤魔化せてない)
終わり方とかあまりにもセンスがなさすぎ!(お前が書いたんだよ、しかもソフィアの歌から)
それにしても私は城海の頃いったい何を見てたんでしょうね?(だから海馬だってば!)
何かよく読めば読むほど矛盾してますが、もう手がつけられないほどへっぽこ文章なので放置の方向で…(投げた)
050830



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