キッチン




自分の隣で寝ている慈郎を起こさないようにそっと日吉はベッドを抜け出した。
もっとも自分の恋人はそんな気配りをしなくとも、一度寝たら余程のことがない限りは目を覚まさないのだが。
今日は休日で(じゃなかったらこんな行為には及ばない)、どんなに早くても昼過ぎまでは寝ているだろうから、目を覚ました時の為に朝食兼昼食でも作っておこうというわけだ。慈郎は何でもオイCオイCと言って食べてくれるけれど、それでもちょっと悩んだりする。



(今日は何を作ろうかな…)

ふと隣を見ると慈郎のふわふわの猫っ毛が出窓から入る光と風に晒されて黄金色にふわふわと揺れていた。

(可愛い人…)



日吉は慈郎とこういう関係になるまで女の子と付き合ったことはないけれど、女の子と付き合ったらたぶんこんな感じなんだろう、と思うくらい慈郎は可愛らしかった。
そんなことを口に出そうものならたぶんボロボロ泣いて3日は機嫌を直してくれないだろうから言わないけれど。

風に揺れる髪の毛にそっと指を入れるとふわふわのそれが日吉の指に酷く心地良く絡まった。


(やば…何かムラムラして来た)

慌ててベッドを出ようとすると、寝ている筈の慈郎に腕を掴まれて日吉は飛び上がった。


「ビックリした…。起きてたんですか、慈郎さん」
「だって日吉がまた俺より先にベッドから出ようとするんだもん」
仕方ないでしょ、飯作れるの俺だけなんですから、と言うと慈郎はお菓子でいいのに、とか言ってちょっとむくれた。


「ダメですよ、朝食はちゃんとしたものを食べないと」
「…判ってるけどさ、起きた時ベッドにひとりだと淋しいよ」

それでゆうべは日吉が起きる時には絶対目が覚めますように、って祈って寝たんだ。
そう言って慈郎はふわふわと笑った。
これはむしろそこらの女の子なんかよりも余程可愛らしい、と思って日吉は眩暈がした。
ごめんなさい慈郎さん女の子と比べたりして、とこっそり心の中で謝ることも忘れない。


日吉はベッドに戻ると自分よりもずっと小さい恋人を軽く抱き上げて抱き締めた。

「…そうですね、朝はふたりで迎えたいですね」
でも慈郎さんが起きるのは朝じゃなくて昼なんですよ、と言うと慈郎はうーんとうなって、もういっしょに台所で寝ようか、とかそんなことを言った。

「うんと大きくなってふたりで一緒に住めたらそれもいいですね」
その小さな果実のような口唇を軽く塞いで言うと慈郎は楽しそうに笑った。



「とりあえず今日は一緒に何か作りましょうか?」
包丁はダメですよ、アナタ途中で寝ちゃうから、と続けると慈郎は、日吉と一緒なら何でもするよ、とか言って腕の中で微笑んだ。


暖かいしあわせな春の1日のはじまり。





拍手んとこに置いてあった小説。ヒィー!ラヴすぎる!!_| ̄|○
なんか色々と気色悪いことをほざいてますが笑顔でスルーしてくだせえ(土下座)
私は跡宍になってからはだいぶ糖分が減った(…と自分では思っている)ので、たまにこういうのを書くと震えます。
ヒー!ヒー!(うるさい)ちなみにチョタひよバージョンと状況がそっくりなので同タイトル同シチュエーションのカプ違いということに(以下略)
それにしてもジローはマジで可愛いなぁ…(うっふり) 私がテニスのキャラの中で、
こいつだけは絶対に受じゃないとダメ!攻はダメ!
って思うのは唯一このジローだけです。
あ、あと柳生と滝と深司と亮(六角)…とバカ澤(全然唯一じゃない)
つまりはミスフルでいう牛尾w(オイオイ)