真夜中にふと目が覚めて、切原は身体を起こした。
横を見ると当然のように隣で眠っている越前の姿が目に入った。


「…スゲー顔して寝てやんの」


思わず引き寄せられるように、切原は幼い少年の額にキスをした。





キミにキス




「…///」


何だか恥ずかしくなって、とりあえずトイレに行くことにした。
真夜中の越前の家をひたひたと歩く。
当然だが家の者は寝静まっているので誰の姿も見えない。
明日の朝ごはんは何だろう…
越前のかーちゃんのご飯うまいからな、とか考えながら用を済ませて手を洗う。
目の前の洗面台の鏡に薄暗く自分の姿が映った。
下の方にある灯りのスイッチをONにする。
もうこの家のことは構造だけじゃなくて、細かい物の位置に至るまで殆ど覚えてしまった。
それほど時を重ねたということになるのだろうか。


ふと、鏡に指を添える。
大きく開いたTシャツの胸に、花弁のような痕が幾つもついているのが見えた。
見えるところにはつけるなといつも言っているのに越前は聞きやしない。

ちょっと昔は、鏡を見るたびにあの別の自分が顔を出すようで、鏡を見ること自体が怖かったものだが、
今ではそっちに目は行ってそんなことはちっとも思わなくなった。


(…いいことなの、かな)



「…切原さん」


イキナリ背後から声をかけられて、切原は思わずギャッとか叫びそうになった。
越前は両手で切原の口を押さえて、ジスチャーでシーと言った。


「いきなりどっか行かないでよ。びっくりするでしょ」
越前は寝てるのか起きてるのかも判らない表情で切原を引き寄せた。

「トイレだよ」


こんな関係になってから知ったことだが、このひとつ下の少年は意外と子供で、些細なことで怒ったり嫉妬したりする。
それは当然のことなのかも知れないのだが、それまでスカした子供らしくない彼の姿ばかり見ていた切原には結構意外だった。


「…切原さん」
「何だよ」
「アンタは俺のなんだからね」
「ハイハイ…判ってるって」


適当に返事をしつつ、完全に寝惚けているようでフラフラしている越前を引きずって切原は部屋に戻った。
自分よりずっと小さくて軽いのでそのくらい簡単だ。
どこかでどうにか道がズレていたら、自分の方が越前を抱いたりしていたのだろうか。
無理矢理彼をベッドに寝かせて、そんなことを考える。
自分もそんなには大きい方ではないし、越前も小さいので、彼のこのシングルベッドで一緒に眠ることも身体を繋ぐことも造作もなかった。




―最初は子供の遊びみたいに身体を重ねていた。
ふたりで冷蔵庫のビールをくすねて飲んでいて、退屈だからエッチしてみる?―なんて話になったのが最初だったと思う。
それは殆ど遊びの延長みたいなもので、この気持ちもそれについてくるだけのものだと思っていた。


でもそのうち気付いてしまった。
彼の声が、彼の指先が、彼の瞳が。
自分の闇を追い払うくらい、自分を幸せにしてくれるくらいの力を持っていることに―‥
認めたくはなかったけれど、それは間違いなく恋とか愛とかいう感情のようで。


『すきだよ、切原さん―‥』


それまでそんなこといちども言わなかったくせに。
行為の度に越前はそんな睦言を口にした。


『…いつから?』
『…さぁ。たぶん、最初から』
『…』
『ねぇ、アンタは…?』
『そんなの、知ってるくせに…』


彼に触れられるたびに自分が変えられてしまうようで、ひどく怖くて、でもひどく幸せで。
重ねた口唇が、絡める指が。
繋がった部分から溶けてばらばらになるような気さえする。
切原が生きてきた人生の中で、そんな気持ちになったことは今までいちども無かった。




ベッドの越前の隣に自分も滑り込む。
条件反射みたいにくっついて来る越前。
冷房が効いているため彼の体温が酷く心地良かったが、気持ちがいい理由はそれだけではなさそうだった。


時計を見ると深夜4時。
猛烈に迫ってくる眠気に襲われて切原は瞳を閉じた。




***




「…さん」


「切原さんってば」


激しく揺さぶられて切原は瞳を開けた。



「もー昼だよ。ご飯食べよ」

「うーん…」


布団を頭まで被ってくるりと反対側を向く。
切原はかなり寝起きが悪いので、一度や二度起こされたところでなかなか起きない。


越前は容赦なく布団を捲り上げて、寝惚けて何が何だか判っていない切原の口唇を塞いだ。


「んっ…」

寝惚けているので彼の口内に侵入することは容易かった。
息をつく暇もないくらいそこを貪ってから口唇を離すと、切原は何とかその大きな瞳を開いた。


「目、覚めた?」
「…びみょーに。」
「もっかいしようか?」
「判ったよ、起きる起きる…」

ふらふらとベッドから起き上がると越前がその腕を掴んで引き起こした。
そのまま越前は背伸びをしてもう一度切原の口唇を塞いだ。


「…結局もっかいすんじゃん」
「おはようのチューだよ」

いけしゃあしゃあと越前は言った。


「そういや越前、ゆーべのこと覚えてる?」
「ゆうべ?アンタが●回イったこと?」
「ちげえよ!お前だって▲回イっただろ!!!」
「他に何かあったっけ…?」


やっぱりアレは無意識か。
アンタは俺のなの、とか何とか言っている越前を思い出して切原は少し笑った。


「何笑ってんの」
「…別に」
「何それ。」


越前はまた、他では到底見せない子供っぽい表情をしてむうっとむくれた。


「…俺にかくしごと?俺は切原さんのこと全部知ってるって思ってたのに…」

わざとなんじゃないかと思うくらい(と言うか多分わざとだと思う)大げさに拗ねてみせる。


「てゆーか俺の何を知ってるってんだよ」
「え?笑うと可愛いとことか?感度いいとことか?あと、泣き虫なとことか?」
「なっ…///」


赤くなった切原の耳元で、また越前は小さく好きだよ、と言った。

「朝っぱらから何言ってんだ…//」
「いいじゃない。切原さんは?」


確信犯のように微笑まれて、ああ、やっぱり好きだなあと思ってしまう。
そんな自信満々に言われたら、YESとしか答えようがない。


「…好きだよ。判ってんだろ」
「…うん」


ふたりはどちらからともなく触れるだけの口付けを交わしてから、朝食というか昼食を食べるべくリビングへ向かった。




すっごい気に入ってない小説。(オイ)
いつもは、最初は気に入ってない小説でも、色々試行錯誤してUPする頃にはまぁ自分的にはマシになってるもんですが、これはマジで気に入ってません。
つーか、駄作の名に相応しい文章。(そこまで!)まぁ折角書いたんで載せますが…(嫌そう)
まーこういう昔書いてた城海テイストな話が嫌なだけなのかも(嫌なら書くなよ!)
まぁようやくリョ赤を書くコツが掴めて来たんで(気のせいかも)、今後頑張ります今後。(オイ…)

それはそーと越前と赤也は結構気があうとおもう。
共通点は、
ふたりとも同じ年の友達がロクにいなそうなところ(真顔)
だから結構いい友達になれるんじゃない?w(そんな…) 一緒にゲームしたりしてさw
なんせ赤也に至っては「友達からは敬遠されるタイプ。(でも困難はひとりで乗り切ってしまう)」って20.5巻に書いてあるくらいだから…(遠い目)
でもほんと、その通りだよね…(その通りなんかい!Σ(゜Д゜;))
ブン太とかはいっぱい友達いそうなのにね…(とても遠い目)
ひょっとしてわたしは友達いない子が好きなんか??_| ̄|○(例:海馬)
いや、考えるまでもなく
間違いなく好きですがね(どきっぱり)