太陽の下で手を繋いで
太陽の下でキスをして
太陽の下で愛してると言って






カケオチごっこ 3






「…で、これからどーすんの。」


切原は溜息をついて越前に問いかけた。
軽く絡めた指が少し熱い。
越前が小さいせいで弟だとでも思われているのだろうか、たまに人とすれ違ってもあまり注目を浴びることはなかった。


(顔はぜんぜん似てねえんだけどな…)


「うーん。どっか行きたいとこない?」
「行きたいとこって言われても予算の殆どを電車代が占めてんじゃなぁ」
「カラオケ屋でエッチしてもいいけど、今の俺たちにはカラオケ代も厳しいよね」
「いや、そこは金銭の問題じゃないだろ…」
「だってカラオケ屋って、ソファあるし、暗いし、ラブホより安いし、歌えるし。」
「まぁそりゃあそうだけど…」


そんなことを話しながら当てもなくてくてく歩く。
小さな街のようで、小さな商店街の他にはとりたてて目立つものもない。


「…ま、どっちにしてもココじゃあ遊ぶ場所もないかな」

越前はちょっと肩をすくめた。
でもまだ昼だし暇だよな、と切原が言いかけると越前があ、とか声を上げた。


「切原さん切原さんいいもの見つけた!!」
「…は?」

越前に手を引かれて横断歩道を渡る。
商店街から少し離れたそこはもうポツポツと家の建つだけの完全な田舎町で、その中に円形の建物があった。


「家族風呂だって!しかも部屋別!400円!」
「…はぁ?」


良く見ると円形の建物にはドアが沢山ついていて、一部屋単位で入浴が出来るらしい。
中心部には見覚えのある温泉のマークもついていた。
少人数の家族向きといっていいだろう。


「…こんなとこまで来てフロ、か?」
「だって、今日の夜エッチ出来るかすら判んないし。ここならバッチリじゃん」
「フロっていうかエッチ目的かよ…」
「でも他にすることもないし。ちょっと早いけどお風呂にも入れて一石二鳥だよ」
「そりゃーそうだけど…」
「切原さんは俺としたくないの?」
「…さっきまではな」
「…え?」
「…お前がうるさいからしたくなって来たじゃねえか」

切原が小さな声で言うと越前はやっぱり、と笑った。




受付で200円ずつお金を払って、ドアをバタンと開く。
家庭用のお風呂が広くなったかんじで、部屋の大きさはカラオケ屋の一室くらい。
更衣場と浴槽に別れていて、考えようによってはラブホテルと言ってもいい。
随分お得なラブホテルだ。
まぁ行為の後休めるようなベッドはないけれど。


「…やっとふたりっきりになれた」

パタンと後ろ手でドアを閉めてから背伸びをして、越前は熱っぽく切原の口唇を塞いだ。
先程した口付けのそれよりも更に深く深く、お互いを貪る。
はぁ、と息をついてようやく口唇を離すともうどちらのものとも判らない唾液がツウと糸を引いた。


「切原さんとカケオチ(仮)してるって思うとムラムラしてしょーがなかったよ」
「……俺も」
「家がないと不便なんだね、本気カケオチはやめとこ(笑)」
「そりゃそーだろ」


そんな会話をしながらも越前はするすると切原のTシャツに手を入れた。


「オイ、気ィ早…」
「だって、もうガマン出来ない…」


だめ、と切原は越前の腕をつねった。

「いたー!」
「風呂ぐらい溜めよーぜ、折角あるんだからさ」

切原はアッサリ立ち上がって、すたすたと浴室のところまで歩くと勢い良くドアを開けた。


「…切原さんが、俺の誘惑をかわした」

越前は唖然として、ちょっと残念そうに言った。


「もー付き合ってだいぶ経つだろ」

いつまでも処女みたいだと思うなよ、と切原はベーっと舌を出して蛇口をひねった。
シャワーから出た水が重力のままに湯船に注がれる。
やがてその水は湯に変化したらしく、もわもわとした湯気が部屋中に立ち上りはじめた。


「何、湯気とか何の作戦?俺もうやりたくて死にそうなのにこんなものに煽られるなんて…」
「半分くらい溜まったら入れるだろ?」

ううう、と唸る越前を尻目に切原は冷静に言ってにこ、と笑った。


(かわい…)


「じゃあ溜まるまでくっついてていい?」
「すきにしろよ」
「うん」


ふたりは浴槽の脇にぺたんと腰を下ろした。
許可を得たので、越前は切原を後ろから抱き締めた。


「あー、落ち着くー」
「ハイハイ」
「家がないって不便なんだね…(2回目)ふたりっきりでいるのに何にも出来ないなんて…」
「何にも出来ないー?じゅーぶんされたけど」
「あんなんしたうちに入んないよーー」


越前は頬を膨らませてぶーぶーと文句を言った。
しょーがねーなぁ、とか笑って、切原は越前の口唇を塞いだ。


「…ガキだと思ってるでしょ」
「ガキじゃん」
「いっこしか違わないじゃん」
「いっこ違えばじゅーぶん」
「まぁ今に見てなよ、身長伸びるの今からだし、あっという間に追いついてみせるんだから」
「身長の話かよ!」

切原は、ちょっと笑ってお前はそのままでいいよ、と言った。


「ちょっと…ホントにあんまり煽らないでよ…折角我慢してるのに」
「でももうフロ入れるんじゃないか?(笑)」

ホラ、と言って切原はお湯に手を入れて掬い上げた。
湯が切原の手を伝ってぱたぱたと床に落ちる。


「うん、入れる入れる」


越前は湯船の中を見もしないで服を脱ぎ始めた。

「早ッ!」
「ホラ、切原さんも脱いで脱いで」


越前が急かしてTシャツを捲りあげたので、切原はバンザイをして脱がせて貰った。
くるくるの髪の毛がシャツに引っかかってぴょん、とはねた。
いつもどちらかの家に泊まると風呂は一緒なので慣れている。(エッチも含め)
越前は切原の鎖骨のあたりに口唇を落とした。
情事の始まりの合図みたいなもので、彼は特にこのあたりに所有の印を刻むことを好んだ。


や、とか切原が小さく言うと越前はクスリと笑った。


「…ガキじゃあこういうことも出来ないデショ?」


…どうやら根に持っているらしい。


「…お前エッチしてる時はテニスしてる時と同じくらい生き生きしてるよな」
「切原さんは、テニスしてる時もエッチしてる時も、いっつも可愛いよ」
「会話噛みあってねーよ…」


切原はあきれて、ホラ入ろうぜ、と促した。
浴槽の大きさは普通の家のそれよりやや大きいくらい。(越前の家の風呂は寺だからかかなり大きいのでそれと同じくらいだろうか)
2人が身体を沈めるとお湯が丁度肩のあたりまで来た。


「…お前がデカくなったらさ、風呂も窮屈だぜ、きっと」
「まぁ俺がチビだから一緒に入れてるよーなもんだもんね」


だいたいお前はちっちゃい方が可愛いよ、とか言って切原は越前の背中に腕を回した。


「いっつも可愛くないとか言うくせに」
「それはお前の性格が。(キッパ)」
「悪かったね。でもチビだったらアンタを抱きかかえたり出来ないし」
「…別にしなくていいだろ」
「一度はやってみたいじゃん、オヒメサマだっこ」
「そんなにしたいなら俺がしてやるよ(笑)」


俺がされても…とか越前は思ったけれど、切原が楽しそうに笑うので黙っていた。



「切原さん」

軽く口唇を塞ぐ。
初めてキスした時は少女みたいに震えていたのに。


「…愛してる」

今度は少し長く。
本当は愛の意味なんて判らないけれど。
この気持ちを言葉にしようとしたら、これしか知らなかった。
少なくとも、どんな場所でも、誰の前でも。
そこが真昼の太陽の下でも神様の前でも、切原を愛してると言い切れるくらいには、越前は彼が好きだった。


キスの合間にそんなことを口にして、徐々に深く貪ってゆく。
切原の口唇からはぁ、と吐息が漏れた。


「…感じてきた?」

越前はそんなことを言って笑った。
ぱちゃ、と湯船の水が跳ねる。


「…うるせーよ」

越前はもう一度キスをしながら右手で胸の突起をなぞった。

「…ッ」

初めて身体を重ねた時はただ夢中で、しがみつくように両手を伸ばしていたことしか思い出せないけど、
情事に慣れた身体は確実にそれを快感として受け取る。
越前は更にそこに舌を這わせた。


「んっ―‥」
「気持ちいい?切原さん」


下にも手を伸ばす。


「気持ちいいよね?反応してるもん」

切原は小さな声で、黙って出来ねえのかよ、と反論した。


「だってホラ、攻として色々言わなきゃ」
「…何の義務感だよ」
「切原さんを感じさせる義務」
「…あっそ」


確実に固くなった胸の突起を口に含むと軽く舌で転がす。
同時に内腿を撫で上げると切原の口唇から甘い声が漏れた。

「やっ…」

自分が教えた通りに反応するカラダが愛しくて、越前は切原を抱き締めながら彼自身に触れた。
湯の中でもはっきりとそこの熱が伝わってくる。
越前はゆっくりとその手を上下に動かした。


「えち、ぜんッ…!」
「もうちょっと我慢してね?」


暫く前に触れていた手を今度は後ろに持ってくる。
ゆっくりと中指を沈めると肢体の熱がさっきよりもはっきりと伝わってきた。


「切原さんのナカ、すっごく熱いよ」
「…湯ん中だからだ、ろ」
「お湯の中じゃなくても、いっつもすっごく熱いよ」

そんなことは当然のことなのだけれど、切原が頬を染めて恥らうところが見たいからワザと口にする。
今日も彼はかあっと頬を染めて、マジで黙れよ、とか何とか言った。


「…つか、こっちも湯が入ってきて熱、い…」

切原は熱っぽく越前を見た。
越前はそんな恋人にキスをしながら、ゆっくりと指を増やしていく。


「初めて指入れた時、切原さんのカラダのナカだと思うだけでイきそうになったよ」
「へ、え…」

越前は切原の耳元で ねぇ、入れてもいい?と囁いた。


「い、ちいち聞くなよ…」
「だって切原さんに言わせたいんだもん」
「…入れて、って?」
「そうそう!今のもっかい!!」(←馬鹿)
「や、っぱガキだ、よ、お前(笑)」
「ガキでも何でもいいからお願い!」


越前が必死で強請ると切原は微かに笑って、彼の耳元に口唇を寄せた。



「えちぜん…、入れ、て?」







お風呂はエッチに含まれます(意味不明)エロの途中でぶった切ってすいません…長くなってきたもんで。
これでも展開の早いエロにしてるつもりなんだけどw 次もエロが続くかどうかは不明です(オイ)
相変わらず全然終わる気配がないですね…まだ書きたいことの半分も書いてません_| ̄|○ エロとか書いてる場合じゃない…(全くすぎ)
家族風呂は私の地元にあったやつをモデルに書いたんですが、こういうお風呂が一般的なものかどうか全く不明です…
少なくとも私はそこしか見たことない…
私の出身地は変人が量産されると評判の小さな温泉街だったので温泉とか銭湯が無駄にいっぱいあったんですが…
とにかくカラオケ屋がお風呂になったようなもんだと考えて頂ければ…(判りにくすぎ)
要は個室のお風呂ですよ。確か入浴代300円(当時)だったんで関東はもうちょっと高いだろうと400円にしてみました(適当すぎ)
でも浴槽の大きさまでは覚えてません。普通の家サイズだったような気も…。多分大きくは無かったと思う。(うろ覚え)
私は小学生の頃、お金がないので良くタオルも持たずに友達とここに入って遊んでました(シャワーとかで)
まぁお風呂っていうかプールテイスト?(違うだろ)家の風呂が壊れた時ママンと普通に入りに行ったこともあったけど。家に0歳の妹を残して…(おいおい!)
今思えばあの風呂でやってたカップルがいっぱいいたはずです(そうか?)
でも60円(当時)の温泉プールがあったので、どっちかっていうと夏も冬もそこで朝から晩までクタクタになるまで遊んでた(貴様の思い出話はどうでもいい)
あの頃は300円あればじゅーぶん楽しく遊べたナァ…(何の話だよ!)
そういうわけで越前と赤也のカケオチ(仮)はまだ続きます…スイマセ…_| ̄|○
つか壁紙ぜんぜんエロくないですね、しょーがないか、これ雨の壁紙だもん…(もっと気合入れて探せよ!)
まぁあれだ、体液じゃなくってお風呂の水滴ってことにしてください(オイ)体液っぽいのも頑張って探しときます(体液言うな)
関係ないですが私は未だに妹とお風呂に入ってます(どうでもいいよ)