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「おまえさぁ…生まれたのってホントに俺が死神になってから?」 「はぁ?なんの話?」
寝る前にいきなり聞いたので、ベッドの中の虚は変な声を上げた。いつも頭の隅にほんのちょこっとだけあった戯言を―ふと口にしてみたくだけだったのだが。
「いや、たまーに思うんだよな。もしかしておまえはずーっと前…小さい時とか…もしかしたら俺が生まれた時からいたんじゃねーのかなって…」
この子が自分の霊力それ自体で、もうひとりの自分だというなら―そういう可能性もあるのではないかという話なのだけれど、虚はあまりいい顔はしなかった。
「それはないと思うけど(キッパ)」 「ロマンのねぇやつだなぁ。もしそうならさ、子供の頃とかに会ってるかも知れないじゃん」 「俺がここにいるって自分で気付いたの、どう思い出してもいちごが死神になってからなんだけど。」 「覚えてないだけかもよ?」 「そりゃあ、自分が生まれた時のことなんか良く覚えてないけどさ…」
虚はちょっと考えると、自分の目をジッと見た。
「仮にいちごの言う通り可能性は0じゃないとしてもさ、覚えてなかったら意味ないじゃん」 「そりゃそうだけど」 「…なんで急にそんなこと言い出したの?」 「だって、俺とおまえが一緒に生まれてたら誕生日もおんなじで一緒に祝えるし、双子みたいでちょっといいかなーって思ったんだよ」 「いちご、ふたりも妹がいるのにひとりっこみたいな願望があるんだね…。そりゃ兄弟に近くないわけじゃないけど、本当の意味なら俺はどっちかって言えばいちごのコドモみたいなもんでしょ?」 「…!ほんとにおまえは…恥ずかしいこと平気で言いやがって…」
この子の方はたぶん自分が恥ずかしいことを言った自覚なんてないのだろう、涼しい顔をしていたが―構わずにぎゅうと抱き締めた。 確かにそれはその通りで―自分の霊力から生まれた存在であるなら、この子は双子とか兄弟とか以前に自分の子供のようなものだ。
「そうなると俺は自分の子供に手ェ出して、キスとかエッチなこととかしてるってことだな(笑)」 「でも、むしろ俺なんか最初からいちごが好きだったし。」 「俺も最初からおまえが好きだったよ…?ずっと…」
軽く口付けながら言ってやるとそれはもうわかったよ、と虚は目を逸らした。だいぶ素直になってくれたとは思うけれど―好きだと言われるのは未だに苦手らしい。(自分は言うくせに)
「でもさぁ…こうやってくっついてるとなんか懐かしいような気持ちになるし、絶対ないってこともないのかも…」 「ひつこいなぁ、それは俺がいちごの一部だからでしょ?」 「勿論それもあるだろうけどさ…。つーかそんなに否定しなくてもいいだろ、だったらいいなーっていうもしもの話なんだから」 「ニンゲンの男って、やっぱろまんちすとなんだね…俺はそんなこと考えたこともないけど」
ちょっと呆れたように笑って、虚は自分の背中に腕を回した。こうして触れるたびに―この温もりをずっと前から知っているような気になるのは、やはり自分の一部だからなのだろうか? まぁ、風呂上がりだから暖かいのは当然なのだが。適温の湯たんぽを抱いているようでだんだん眠くなってくる…。
「―やっぱりさぁ、俺いちごと会ったことなんかないよ」
ほどよい体温が心地よくて眠りに落ちそうになった頃―‥突然、虚がやけにハッキリとそう言うので現実に引き戻された。(ここは精神世界であるので、この言い方は少々おかしいが)
「わっ…まだ起きてたのか!そんな長いこと考えてまでキッパリ言うなよ!!」 「だって…俺、いちごに会ったことがあるなら絶対覚えてるよ。忘れるなんてありえないもん」 「…!」
虚が真剣に頬を染めてそう言うので―なんだかすごく納得してしまった。確かに、自分もこの子と会ったことがあるなら絶対に覚えているだろう。仮に忘れてしまったとしても―絶対に思い出す。 もっとも最初から願望を口にしただけで、そういう心当たりがあるわけでもなんでもなかったのだが。
「ってことは、もう次は絶対に覚えてるなv」 「…つぎ?」 「ホラ、死んだりとか、生まれ変わったりしてもだよ」 「それはさすがにわかんないよ…つか俺の場合はいちごが死んだらふつーに消滅すると思うし。」 「そうだとしても、なにがなんでもいっしょに連れてくからさv」
―虚は、どこに?とは聞かないで、ただちょっと微笑んで金色の瞳を閉じた。その長い銀色の睫毛におやすみ、と口付けて毛布を肩までかける。
そう、もう出会って―愛し合ってしまったのだから。この先なにがあっても―たとえ死に引き裂かれたとしても絶対に離したりなんかしない。
***
白黒で実はふたりは子供の頃から…みたいな話を書きたいのだが(アリガチw)、黒白だったらそれはないなwwと思って書いた小話ww でもそろそろ本気でクオリティがアレになってきたのでそろそろ毎日更新とかやめた方がいいかなww まぁもうちょっと頑張ってみますwww^p^←
クオリティがアレとはいえタイトルがあまりにもまんま…以下略。 |
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