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いつもいつもボロボロになって戦っているので仕方がないとは思うけれど―ヒドイ怪我をしたり死にそうになるとそのたびにこの子をものすごく泣かせた。 表の世界の自分も意識を失って暴走したりだとか虚になりかけたりだとかえらいことになってはいたようだけれど―正直それどころではないと思うくらいに。
「…」
さすがに女の子のように行かないでとかもうやめてとかそんなことは言わないけれど―大きな金色の瞳はいつも今にも泣きそうに潤んでいた。
申し訳ないけどまだ戦えるだけの霊力を頂いて(―に便乗してキスとか色々するわけだが)―白い虚の柔らかい銀髪を梳きながら言い聞かせた。
「…泣くなよ、絶対勝つから」 「…」
虚は何も言わずに、自分の死覇装の袖をきゅうと握り締めた。 本当は代われとか自分が行きたいとか―そういうことを言いたいのだろうけれど、さすがにもうこれだけ長いこと一緒にいると自分は嫁役だと判っているのか(たしかに、プライベートでもほとんどお嫁さんなわけだが…v)ぐっと口を結んで何も言わない。 血で濡れた指が痛々しくて、袖を握る指をそっと解くと一本一本丁寧に舐めた。もっともこれは己の血であるわけだが―この子を血なんかで汚したくないし、どんな些細な傷でもつくのは嫌だった。
「大丈夫だって。そう簡単には死なねーよ」 「…気安く大丈夫とか言うな」
ようやく口唇を開いたと思ったら、虚はぽろぽろと泣き出した。 別に気安く言っているつもりはない。自分が死ぬだけならともかく、死んだらこの子まで道連れにしてしまうのだから。 この子だけは護るってずっと前から決めているのだ。本当にそんなに簡単に死ぬつもりはないし―そのためならどんなことだってする。
「ホントだよ。俺だって八割方大丈夫だと思った時じゃねえと大丈夫なんて言わねぇよ」 「…そんなボロボロになっといて良く言う」
震える声がたまらなくて抱き締めた。戦闘中だというのにこのまま奪いたくなってしまうからいけない。
「…んな声出すなよ。変な気になるだろ」 「こんな時になに言ってんだよ」
力を込めてさらに強く抱くと、虚は震えた両腕を自分の背中に回した。我慢できなくてこれくらいはいいだろう―と顔を捉えるとその口唇を塞ぐ。こういう状況だとお互いイヤでも高揚するのか…しばらくの間深い口付けを交わした。
少なくとも初めて会った頃は―俺が死にそうになれば喜びこそすれ、こんなことで怯えて震えるような子じゃなかったのに。 きみはそれを弱くなったというのかも知れないけれど、俺は嬉しくてにやけてしまう。 ―そんなにも強く愛されているという至福。
「…なに呑気に笑ってんだよ」 「えへへ」 「…。」
虚の涙で濡れた金色の瞳に不審の色が浮かんた。
「…あのな、」 「?」
そんなことは気にせずに、抱き締めたカラダを戻して潤んだ大きな目を見ながら言ってやる。またキスしたくなるくらいの至近距離で見つめ合って…こういうのも悪くないなとこっそり思った。
「ホントに、本気で―もうだめだって思ったら、俺は戻んないよ」 「…は?」 「本気でもう死ぬ、って思ったら、俺はおまえを抱き締めて離さないから。死ぬ時はそうするって、決めてるから。」 「バッ―」
当然ながら急激に赤みを帯びた頬にキスをして、笑って言ってやる。
「な?だから大丈夫だって」 「…」
―それは、魔法の呪文のように。
「これ片付けたら、もっとキスして、エッチしような?3日くらいぶっ通しで…」 「ちょ…どさくさに紛れてなに言ってんだよ!そんなのに付き合ったら俺が死ぬだろ!!」 「―だから、信じて待ってて?」
この言葉がこの子の心に染み渡って―不安を溶かしてくれるように。 チュ、と軽く触れるだけのキスをしてまた強く抱いた。
でもね、心のどこかで。 どんなに追い込まれても絶対に大丈夫だと確信しているんだ。
―ココにおまえがいてくれる限り俺は絶対に負けないから。
***
黒崎さんが暴走してる時にこんなことしてるといいなぁという妄想。(…)
あ、そこかわいそうな子を見るような目で見ない!!←
タイトルはG戦場のマリア(@うえだみわ)と迷った末こっちを選択www
↑はあんまりにも直球だなと思い…(ほんとだよ)
ちなみに私は上記のまんがから先に知ったので、元ネタはタイトルの曲の方だったんだと知ったのは随分と後のことだった。(馬鹿)
でもこの曲大好きですww
つーか私的にはもうこのくらい甘いのは普通なんだが、ひょっとして甘すぎるかしら。(…)
まぁもうちょっとクール(?)なやつは白黒で書こうww←
そして終わり方がいつもおなz(略 |
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