「あ、ゴム切れてる」
「ぇ…、」
ある夜、枕元に手を伸ばした一護がさもしまった、みたいな顔で言った。
はじめる前に確かめておけよというか(まぁその辺は一護にまかせっきりでチェックしたりしない自分も悪いけれど)―こんな直前になって言われても困る…と熱を持った頭でぼんやり思った。
こんなことは恥ずかしいから考えたくないけれど―‥毎日一護に抱かれていれば、そりゃあ頭もカラダも勝手に次の刺激を想像して…期待している。
ちょっとだけ待ってなv、と一護が意識を集中して―おそらく避妊具を出そうとしたので、思わずその手をガシッと掴んだ。
こんな時にというかムードがないとかそういうことよりもむしろ―そんなものはもういいから、という気持ちの方が強かった。
箱から取り出してそれをつけるまでの一連の手間を想像しただけでも、もう一秒も待てないという気持ちになってしまう。
「…も…いいから早く…」
「いいっておまえ…一瞬で出せるのに」
「だって…も、ガマンできな…」
ぎゅっと一護の背中に腕を回して言ったら、ちゅう、と額にキスされた。
そんなに沢山試してみたことはないけど―お願いすれば一護は大抵のことは聞いてくれる。今までは気付きもしなかったけれど、この王様はヤサシイ上に自分にとても甘いのだ。
あんなことがあったせいもあるだろうけど―むしろ最初からずっと、随分甘やかされていたような気もする。本当に、全然―気付きもしなかっただけで。
「だって、つけないで入れたら俺絶対おまえのナカに出しちゃうよ?ガマン出来ないよ?」
「いい、っつってんのに…」
「おまえのいちばん奥に出してもいいの?」
「…なんっ、で、わざわざ…そんなコト言う、の」
「だって赤ちゃんできちゃうよ?」
「でき…、ねーよ!!!!」
思わず状況も忘れてキィと反論したら、一護は笑って口唇を塞いで―遠慮もせずにそのまま貪ってくる。
キスしたりこんな馬鹿な会話をしてる暇があるならゴムくらい出せただろうな…と今更ながら間抜けに思った。
「…おまえがイイって言ったんだから、子供できても文句言うなよ?」
「ひつこいな!もう!!」
「怒るなよ、ちゃんとアゲルから。俺だって今すぐおまえのナカに入りたいのは同じ…」
一護は口唇を離すと―そう言ってやっと入口に自身を浸けた。求めていた熱がすぐそこまで来ている感触にぶるりと身震いする。
「―ッあ…」
「つけないで入れるのは久しぶりだな…興奮する…。いつもよりでかいかもよ?」
「ちょ…んんっ―ああぁッ」
確かにそんな気がする―‥と馬鹿なことを一瞬思いつつ、何度抱かれてもなぜか慣れはしない快感に身を委ねた。
*
「おまえさぁ、昔は自分からちょうだいとか絶対言わなかったのにな。最近はちゃんとおねだりしてくれるよなv」
眠る前に、一護が嬉しそうに言った。
「…チョウダイなんて言ってないよ」
「似たようなもんだろ?もうガマンできないって言ってたよ」
「それは言った、けど。…でも、そんなことが嬉しいの?」
「そりゃ嬉しいよ。俺と繋がりたいって言ってくれてるようなもんじゃん」
「…」
恥ずかしいなぁと思ってちょっと視線を逸らすと、あれ?ちがうの?と一護がちょっと笑う。
「違わない、けど…でも、エッチしてる時は夢中だからよくわかんない…」
「なんでもいいよ、おまえが俺のこと求めてくれれば…」
「もとめ………でも、いちごのこと求めてるのはカラダよりココロだと思うよ」
「―!なに言うんだよ!いきなり!」
そんなに恥ずかしいことを言ったつもりはないのに、一護はかあっと赤くなった。いつも平気で恥ずかしいことを言うくせに変なところで照れたりする。まぁ自分もそういう面はあると思うが。
「まぁ、それは俺もそうかもしれないけど…。でもたぶん、それは両方おんなじ意味なんだよ」
「おなじ?」
「―愛してなきゃ欲しくなんかならないから。」
一護はそうキッパリ言った。
「…いちごは俺のことあいしてるからホシイの?」
「そうだよ、当たり前だろ。愛してるからいっつもおまえが欲しくてたまんないの。おまえだって、俺のアレが欲しいのは愛してるからだろ?」
「だから、ホシイなんて言ってな………でもまぁ、そうだけど…」
更に視線を逸らしても、一護が執拗に顔を覗きこんでくる。こちらが照れて逃げていることをわかってやっているのでタチが悪い。
あくまで反抗したくなって、一護の胸に顔を押しつけた。―これなら絶対に顔を見られる心配はない。(…その代わりあまり反抗になっていない気もするが)
「そんでそのうち、赤ちゃん欲しくな…」
「まだ言ってたの!?さっきお風呂で全部出しただろ…ってその前に俺男だから!いちごのカラダとおんなじものだから!」
―けれど、頭上から未だにそんな声が降ってきたので―思わず弾かれたように顔を上げて言うと―‥ほらこっち見た、と一護は笑った。
「…。」
なぜだか勝ち誇ったような笑顔の一護にきつく抱き締められながら―‥自分は生まれ落ちたその瞬間からあんなに欲しがっていたこの王様を―手に入れたことになるのだろうか、とぼんやり思った。
(たとえ彼のものになったのが自分の方だもしても)
「ぇ…、」
ある夜、枕元に手を伸ばした一護がさもしまった、みたいな顔で言った。
はじめる前に確かめておけよというか(まぁその辺は一護にまかせっきりでチェックしたりしない自分も悪いけれど)―こんな直前になって言われても困る…と熱を持った頭でぼんやり思った。
こんなことは恥ずかしいから考えたくないけれど―‥毎日一護に抱かれていれば、そりゃあ頭もカラダも勝手に次の刺激を想像して…期待している。
ちょっとだけ待ってなv、と一護が意識を集中して―おそらく避妊具を出そうとしたので、思わずその手をガシッと掴んだ。
こんな時にというかムードがないとかそういうことよりもむしろ―そんなものはもういいから、という気持ちの方が強かった。
箱から取り出してそれをつけるまでの一連の手間を想像しただけでも、もう一秒も待てないという気持ちになってしまう。
「…も…いいから早く…」
「いいっておまえ…一瞬で出せるのに」
「だって…も、ガマンできな…」
ぎゅっと一護の背中に腕を回して言ったら、ちゅう、と額にキスされた。
そんなに沢山試してみたことはないけど―お願いすれば一護は大抵のことは聞いてくれる。今までは気付きもしなかったけれど、この王様はヤサシイ上に自分にとても甘いのだ。
あんなことがあったせいもあるだろうけど―むしろ最初からずっと、随分甘やかされていたような気もする。本当に、全然―気付きもしなかっただけで。
「だって、つけないで入れたら俺絶対おまえのナカに出しちゃうよ?ガマン出来ないよ?」
「いい、っつってんのに…」
「おまえのいちばん奥に出してもいいの?」
「…なんっ、で、わざわざ…そんなコト言う、の」
「だって赤ちゃんできちゃうよ?」
「でき…、ねーよ!!!!」
思わず状況も忘れてキィと反論したら、一護は笑って口唇を塞いで―遠慮もせずにそのまま貪ってくる。
キスしたりこんな馬鹿な会話をしてる暇があるならゴムくらい出せただろうな…と今更ながら間抜けに思った。
「…おまえがイイって言ったんだから、子供できても文句言うなよ?」
「ひつこいな!もう!!」
「怒るなよ、ちゃんとアゲルから。俺だって今すぐおまえのナカに入りたいのは同じ…」
一護は口唇を離すと―そう言ってやっと入口に自身を浸けた。求めていた熱がすぐそこまで来ている感触にぶるりと身震いする。
「―ッあ…」
「つけないで入れるのは久しぶりだな…興奮する…。いつもよりでかいかもよ?」
「ちょ…んんっ―ああぁッ」
確かにそんな気がする―‥と馬鹿なことを一瞬思いつつ、何度抱かれてもなぜか慣れはしない快感に身を委ねた。
*
「おまえさぁ、昔は自分からちょうだいとか絶対言わなかったのにな。最近はちゃんとおねだりしてくれるよなv」
眠る前に、一護が嬉しそうに言った。
「…チョウダイなんて言ってないよ」
「似たようなもんだろ?もうガマンできないって言ってたよ」
「それは言った、けど。…でも、そんなことが嬉しいの?」
「そりゃ嬉しいよ。俺と繋がりたいって言ってくれてるようなもんじゃん」
「…」
恥ずかしいなぁと思ってちょっと視線を逸らすと、あれ?ちがうの?と一護がちょっと笑う。
「違わない、けど…でも、エッチしてる時は夢中だからよくわかんない…」
「なんでもいいよ、おまえが俺のこと求めてくれれば…」
「もとめ………でも、いちごのこと求めてるのはカラダよりココロだと思うよ」
「―!なに言うんだよ!いきなり!」
そんなに恥ずかしいことを言ったつもりはないのに、一護はかあっと赤くなった。いつも平気で恥ずかしいことを言うくせに変なところで照れたりする。まぁ自分もそういう面はあると思うが。
「まぁ、それは俺もそうかもしれないけど…。でもたぶん、それは両方おんなじ意味なんだよ」
「おなじ?」
「―愛してなきゃ欲しくなんかならないから。」
一護はそうキッパリ言った。
「…いちごは俺のことあいしてるからホシイの?」
「そうだよ、当たり前だろ。愛してるからいっつもおまえが欲しくてたまんないの。おまえだって、俺のアレが欲しいのは愛してるからだろ?」
「だから、ホシイなんて言ってな………でもまぁ、そうだけど…」
更に視線を逸らしても、一護が執拗に顔を覗きこんでくる。こちらが照れて逃げていることをわかってやっているのでタチが悪い。
あくまで反抗したくなって、一護の胸に顔を押しつけた。―これなら絶対に顔を見られる心配はない。(…その代わりあまり反抗になっていない気もするが)
「そんでそのうち、赤ちゃん欲しくな…」
「まだ言ってたの!?さっきお風呂で全部出しただろ…ってその前に俺男だから!いちごのカラダとおんなじものだから!」
―けれど、頭上から未だにそんな声が降ってきたので―思わず弾かれたように顔を上げて言うと―‥ほらこっち見た、と一護は笑った。
「…。」
なぜだか勝ち誇ったような笑顔の一護にきつく抱き締められながら―‥自分は生まれ落ちたその瞬間からあんなに欲しがっていたこの王様を―手に入れたことになるのだろうか、とぼんやり思った。
(たとえ彼のものになったのが自分の方だもしても)