阿修羅城の瞳 ―7年間。 それは最初に交わした約束だった。―いや、約束したつもりも無いのだが。 長いようで短い至福の時は本当に、ちょっきり7年だった。 でも、こちらは本当に約束したつもりはなかった。それだけは断じて主張したい。―本当に無かったのだ。 『7年間だけ―』 「―お父様」 ノックの返事など聞く気もない、というように派手にドアを開けて彼女は部屋に入って来た。 勢い良く開けたせいで彼女の長い金色の髪の毛が、まるで泳ぐ熱帯魚のように(もっとも実物を見たことはないが)優美に靡く。絵に描いたような金髪碧眼、透き通るような白い肌。ハイラル人特有のピンと尖った耳。 美しい―いや、これから先どんなにか美しくなるであろう、それでもまだほんの小さな少女でしかない彼女は、ベットシーツに伸びた二人分の手足などまるで目にも入っていないとでも言うように、自分の方をちら、と一瞥だけして軽蔑するかのように大きな瞳を細め冷たい眼差しを向けた。 隠す気もない自分たちもどうかと思うが、これがまだ十にもならない少女だろうか? 「―その者は、100年のひとりの魔王。知ってらっしゃると思ってましたわ。」 小さな少女の大きな瞳は、少女の年齢など感じさせないほどの迫力を持っていた。―これが、噂に聞くハイラルの伝説の姫君。先見の目があるらしいと聞いてはいたが―なかなかどうして、幼子にして肝が据わっている。 ―だがむしろ、今追及すべきはそこでは無いと思うのだが、少女は判っているのかいないのか、大きなベッドをしっかりと見据えて、自分たちを蔑むように見下ろしている。あまりに堂々としているので、思わずこちらが恥ずかしくなるくらいだ。 「…ああ。そのようだな。判っているよ、ゼルダ。」 王がにっこりと笑ってそのような返事をするので、少女はいかにも心外だ、というかのように眉をきゅっと顰めて踵を返した。 「…お父様がそんなにもその方がお気に入りなのでしたら、お好きになさいますよう。」 流石と言うべきか、嫌味も一人前だ。入って来た時とはうって変わった、静かで上品な仕草でドアを閉める。 ゆっくりと部屋を離れていくと判る軽い足音が響く。動揺もしていないようだ。自分の正体を見抜いたばかりか、父親との情事すらその目で見ておいて。それともあの小さな少女のそれは作戦なのだろうか。 「…あまり似ていないな。」 駆け巡るあらゆる可能性はひとまず置いておき、ガノンドロフがボソリとそれだけ感想を漏らすと、そうか?と王は笑った。 「…鍵は」 気になっていたことを尋ねると、王はフフ、と笑った。 「掛けていたとも。もちろん」 「―では」 「あの子には、そんなもの通用しないさ」 「姫君には神通力まで?―恐ろしいことだ。」 「そうだな。我が娘ながら。」 王が楽しそうに笑うのが酷く不可解だった。 「それより、姫君の忠告をお聞きになった方が良いのでは?」 「無論、そのつもりだが?」 「アナタが何故私を欲しがるのか理解出来ませんな。アナタが望むのならば、我が配下を幾らでも用意するものを。もちろん、容姿の美しいものから順に―‥」 ―ガノンドロフの言葉はそこで口付けによって奪われた。 「…ゲルドの盗賊王―いや魔王どの。そこまでしてトライフォースが欲しいと?この世界を手中に入れるそれだけのために?」 「勘違いしないで頂きたい。私が欲しいものはこのハイラルですよ。トライフォースはそのための手段にすぎない」 王はふわりと笑った。 「―何ゆえそんなにもこのハイラルに執着を?どこにでもあるような平凡な国だが」 「…この土地に生まれたアナタには判りますまい。草木も生えない一面の砂しか見たことが無かった我ら一族のことなど。」 ―その金色の髪、白い肌、青い瞳―憎らしいほどに美しいそれらすべてに嫉妬して焦がれる気持ちなど。 「…ゲルドの民の赤い髪も美しいと思うがな」 「―戯れを」 「…良かろう」 その次の言葉は、まるで昨日のことのように良く覚えている。王がなぞるように呟いたその言葉を。 「そんなにも欲しいと言うのなら差し上げよう―‥このハイラルを貴殿に。」 「…は?」 自分はその時思わず目を丸くしたんだと思う。 「姫君にお聞かせしたい台詞ですな。気でも違ったのですか?ハイラルを頂くということは、アナタの首を頂くと―」 「それはもちろん」 王は、自分の手を取りその甲に軽くキスをした。 「この私の首ごと、―魔王殿に」 「…」 考えがまとまらなくて、頭の中をチカチカとあらゆる思考がスパークする。そもそも、彼に抱かれる気になったのは、可能な限り媚びておいて損はないと思ったからだ。 何故王が自分に夜伽など求めるのかはさっぱり判らなかったが―‥まさか惚れているとでも言うのだろうか、とか今になって妙な焦りが生まれた。 「―ただし」 「―7年間だけ」 王は、呪文のように呟いた。それは呪いの言葉のようにも聞こえた。 「これは契約―いや約束だ。7年経ったら返してもらおう」 「何を―‥。7年もの間私がここを支配したのなら、ハイラルだけに留まらずもうこの世は全て暗黒世界―‥いったい誰に返せと?古い伝説の女神様?その時アナタは、もうこの世にすらいないというのに?」 「―私ではないよ。」 王は苦笑した。 「あの子に―‥」 つまり、先ほどの姫であることは明らかであった。 「忘れるな、7年経ったら必ず―‥あの子が君の首を取る。そうしたらキミは、もう私のところに来るしかない。」 「あのような少女にいったい何が出来ると?」 幾ら美しく聡明な姫君とはいえ、無力なただの少女にすぎない。例え7年が経って、彼女がますます美しく成人したとしてもそれは同じだ。 多少なりとも人間離れした力があったとしても、この自分の魔力に敵うとも到底思えない。自分は今、目の前にいるこの男の首を掻き切ることすら容易いというのに。 ―そういえば、なぜ自分はそうしていないんだろう? 「そのような約束は出来ませんな。アナタが私に譲り渡したら最後―私はもう手放すつもりはない。考え直した方が宜しいのでは?」 ―ゼルダは、と王は笑った。―ゼルダ、美しい名だ、とガノンドロフはぼんやりと思った。 「ゼルダがハイラルの伝説の姫と謳われるのは―そんなものではない。あれの目だよ。普通には見えないものが見えるらしい。あの子の目は確かだ。つまり将来―あの子が選ぶ男が、必ずキミを滅ぼす。そういうことだ。」 「…無意味だ。それが例え真実だとしても、そんな面倒なことをしてこの国の王であるアナタが、私にハイラルを譲り渡すのは理解出来ない」 「理解出来ない?私はただ、キミが欲しがるものをやりたいだけなのだが」 「…7年というのは?」 「あの子が成人するまでの年月」 「私が100年にひとりの魔王だということをお忘れで?この私を倒せる者など、この先100年は現れないと思うが」 「それなら確かめてみるといい。これが一方的な約束になるかどうか―」 もう喋るのが面倒になってきて、口を閉じた。そこまで言うのなら、という気持ちが沸き上がって来る。 「では、7年だけ―‥」 王はそれを交渉成立と受け取ったらしく満足そうに笑った。 「まぁまだ時間はある。暫く私と恋人ごっこでもして頂こうか?」 「―アナタのお好きに」 ―7年だけ。 その言葉がやけに引っかかったけれど、もう気にしないことにしてガノンドロフは彼の腕に身を預けた。どうせ自分に勝てる者など現われやしないのだ。7年どころか、この先何十年経っても。何百年経っても。 ―そう信じていた頃の話。 |
ちょ、おま!!!ww
えーと、これはゼルダの伝説というゲームの、
ハイラルの王サマ(ゼルダ姫のパパン)×大魔王ガノンドロフ(ラスボス)
というあんまりにもあんまりなカップリングなのでよろしく。(何が…)
いや、時オカの7年後の世界のガノンたんのお城を見てたら思いついちゃってね…
だって、あそこ元ハイラル城だよガノンたん!!
好きな男の城を乗っ取るってどんな気持ちなのかしら!!?(誰が好きな男だよw)
だってベッドとか、それって自分が抱かれたベッドでしょ!?(違うΣ(´∀` ))
かつての城主に抱かれたベッドで眠る7年間ってちょ、おま、そんな…!!!(妄想はもうそのくらいで…)
もう主はいないのに!!自分でヌッ殺したくせに!!!
(いや買い換えたかも知れないけど…wそれはそれで萌えもとい燃え>ベッド)
まー、ハイガノ(勝手に略した)(つか聞いたこともないカプ)とかいうよりむしろ
ゼルダ姫さま(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ
な内容にwwww
私があのお姫様にどんな夢を見てるのかがバレバレですーネ!!(…)
つーかなんかむしろCLAMPぽいけど気にしないように。
とりあえず物凄い早さで書き上げたwww
勝手にゼルダ姫は7年後に成人とかいう設定にしてるけどw(おい)
まぁ17くらいで成人ってことで、あながち間違ってもいないんじゃないかと。
タイトルはもうそのままです。
修羅の城に、あ、瞳ってのはあのお姫様ねwww
この映画も見たいんだよな〜(見たことないんかいΣ(´∀` ))
つか、そもそもこの小説読む人いるのか??ww
ある意味需要はありそうだが…(無いから!!)
っていうか、なんかこのカプってスピ左みたいだなwww(激違)(スピ左にあやまれ)そして王バクとは似て異なるというかwww
うっかり続きとかあったらごめんなさい。(無いとは思うけどw)
でも、王をヌッ殺した後の話(未亡人)は書いてみたいかもwww
何度も言うようだが、自分が抱かれてたベッドで7年間も眠って(以下省略)
っていうか、もしかしてガノンたんも人外萌え…じゃない燃えの一環!?
いやガノンたんは人外ってほどじゃないけどw(行く末は豚だけどナー)
061124
ブラウザバックプリーズ