act06


「そ、そんなこと言うなよ…こっちも理性が切れるだろ…必死で抑えてるのに…」
「だって…なん、か違…ぅよ…」
「まぁ、おまえいつも胸だけでイけるくらい感じるもんなv」
「うるさッ―」

 そういえば小さい胸の方が感度がいいとか聞いたことがある―本当かどうかは知らないが。そんなに感じるんだったら、あんまり刺激すると本当にイきかねないなと思った。別にイってくれてぜんぜん構わないわけだが、状況が状況だけにあんまりイきすぎるのも良くないのかなとか―なんだか色々と考えてしまう。


「刺激が強すぎる?このくらいにしとく??」
「バカ!まだなにもしてねぇだろ!!」
「そうだけど…」

 当然だけれど妊娠している子を抱くなんて初めてだから、恐る恐るというか―とにかく何をするにも怖いのだ。浦原なり誰かそのスジの専門家なりにもうちょっと詳しく聞かないといけないなぁと思った。
 と言っても専門家なんて十二番隊の涅の他には、石田の父親とか自分の父親くらいしか思いつかなかった。―父親ズはともかく、涅なんかに見せたらこの子がなにをされるかわからない。


「じゃあもうちょっと、ガマンしててな」
「…ん。」

 ゆっくり胸を揉みながら―ほんの少しだけ頂上に歯を立ててみた。

「やッ―んっ」
「力加減どう?今くらいでいい?」
「も、もうなんでもかんでも俺に聞くな!!!」

 虚はもう耐えられないという感じにシーツで顔を隠してしまった。本当にバージンみたいになってしまったなぁとこっそり思う。…まぁこれはこれでとてもかわいいけれど。


「…うーん。じゃあ、ちょっとだけ待ってて?」
「?」
「たぶん俺のカラダ恋次がウチまで運んでくれてると思うから、ちょっと親父に聞いてくるわ」
「!?」

 そう言ったら、さすがに白い虚は血相を変えて自分の死覇装を掴んだ。

「ちょ…!よりによって、おとうさんに!!!????」
「いちばん近いし、早いだろ」
「いやそういうことじゃなくて…俺のこと知ってるの???」
「言ってはいないけど。親父のことだから気付いてると思うし―‥俺たちのカンケイにも。」
「…!」
「すぐ帰って来るから。おまえのことはまた改めて紹介してやるから、心配すんなv」
「もー!こんな時に放置プレイとか!!」
「放置じゃねえよ、5分で帰って来るから。」


 泣きそうな声を出したこの子が可愛くて、ちゅっと口唇にキスをするとシーツを虚のカラダに巻いた。

「ほんとに、すぐ戻って来るからなv」

 もういちど額にキスをして意識を集中した。




*


「うわぁ!!」

 いきなり自分が飛び起きたので、周りにいた恋次たちが驚いて声を上げた。
 向こうにふたり同時に行けることはそうそうないので―恋次にももう少しあの子と一緒の時間をあげたかったな、とチラリと思ったが―申し訳ないけれどとてもそんな余裕はなかった。


「なんだよ、お楽しみ中じゃなかったのかよ」

 恋次にそう言われて周りと見ると、ルキアも織姫もニヤニヤしながら自分を見ている。

「おまえらな〜‥寝てる俺を見てたのか??趣味悪ィことやめろよ。つか、邪魔だけはすんなよ!」
「するわけねーだろ、一護ちゃんvで、どーしたんだよ」
「いや…その…どこまでしていいのかとか迷って…親父に聞こうかと。」
「…」

 その場にいた全員が、ポカーンとしか言いようのない顔をした。


「そかー、はじめての子供だもんな、一護ビビってんだ(笑)」
「るせーな!なんとでも言えよ!!!普通はビビるだろ!!」

 全員がもっとニヤニヤしはじめたのでもう無視することにして、そこらへんに放置されていた己のカラダに戻ると階段を駆け降りた。


「親父ー!!」

 診察中だった父親を見つけると、白衣を引っ張って無理矢理耳打ちをする。


「悪ぃけど今すぐ五分だけ時間作ってくれねぇ?すぐ済ますから」
「なんだ、オトーサンが恋しくなったのか?親離れが早かったからいまごろになって…」

 一心はニヤニヤしながらそんなことを言ったので、周りのご年配の患者さんたちから失笑を買うはめになったのだが、ちゃんと時間は取ってくれた。


「どぉしたぁ??コーコーセーの時からオトーサンに頼ったことなんかなかったくせに」
「るせーな、今回は専門家の意見が必要なんだよ…。あの…」

 いざとなるとどう切り出せばよいのか多少戸惑ったけれど、あの子を置いて来たのだから何としても言わなければ、と思った。


「あのさ…、俺のかのじょ………知ってる?」

 勇気を出してとりあえずそう聞いてみると、一心は眉を上げてほーうと言った。


「それは今上にいるあの赤毛のことか?」
「―!」
「…それとも、オマエのナカのあの子のこと??」
「やっぱり知ってやがったな…」
「オトーサンの目をごまかせると思うなよ」

 一心はフフンと笑った。

「ナカの方だよ…。」
「それで?あの子がどうした?」

 …そうだった、まだ問題はここからだ。なにもただカミングアウトしに来たわけじゃないのだ。


「…それが…その…あの…」
「なんだよ。おまえにしちゃ引っ張るな」
「こどもが…できて…」
「!!?」

 さすがにそんなことは予想もしていなかったのだろう、修羅場慣れしている(―と思われる)この父親でもひどく驚いた顔をした。


「あれか?それはおまえの子か??」
「わかんね。恋次の子かも」
「ど、ど、ど、ど、どっちでもいいけどそれはつまりオトーサンの孫ってことになるよな!?なぁ??」
「まぁ…そう言えなくもねぇかもな…」
「ど、ど、ど、どうしよ!!なぁ一護、男かな?女かな??」
「まだわかんねーよ!!ってそれより、急いでんだから話聞いてくれ」
「?その話じゃないのか?これよりまだ上を行く重要なことがあるのか??」
「…だから…その…どんな風に抱いたらいいのかわからなくて…」
「…。」
「いちおう、人間のは調べたんだよ。人間と同じでいいのかな?妊娠してる時は、あんまり深く入れるなとか書いてあったんだけど…」
「…そうか、女の子になったんだな…」
「なんだよ、なにからなにまで知ってんだな…」

 ちょっとイヤな顔をしたら一心は医者ナメんなよ、と少し笑った。―普通の医者はこんなこと知らないと思う…とぼんやり思ったけれど面倒なので口には出さなかった。


「まー精神体だったら良くあることだからな」
「だから、そうじゃなくてやり方を…」
「人間ほど大きな子は産まねーからな…よっぽど強く突いたりしねー限り大丈夫だよ」
「へぇ…つまり届くくらいならいいってこと?」
「まぁ、そうなるかな…って何言わせるんだよバカ息子!!」
「サンキュー!親父!!今度またちゃんと紹介するから!!!」
「っておまえ…ホントにそれだけ聞きに…ってもういねぇー!!!!」

 我が息子ながら…と一心は思わず肩を落としたのだが、一護には気にしているヒマはなかった。


 階段を駆け上がって、こちらを見ている恋次たちの視線を無視してベッドに飛び込む。―相変わらず部屋中の視線を独り占め★している状況なので、目を閉じる前にギャラリーたちに言い放った。


「おまえら、じろじろ見んなよ?どうせ見ても透けて見えるわけでもねぇし、たとえるなら夢の世界みたいなもんなんだから!!それに俺はどこぞのエロまんがみたいに顔に出たりしねーから!!喘いだりもしねぇから!!」
「「「はーい。」」」

 3人はちっともその気がなさそうに、声を揃えて返事をした。

「…」

 まぁこのギャラリーたちにも構っている時間はない。もう何も気にしないことにして―布団を頭までかぶってしまうと瞳を閉じた。






090918UP


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