act05


「今までそのつもりで話してたんじゃなかったの?」
「…いや、改めて考えたら…そういえばそうだなって…」
「まぁ、いちごの好きにすれば…」

 虚は瞳を反らした。さすがに恥ずかしいようで頬が赤い。
 ―確かにこの子はいきなり女の子のカラダになったところでなにもわからないだろうし、自分が1から教えてあげないといけないなぁと思った。
 とりあえず、下の着物もカラダから取っ払ってしまう。下着だけになってしまったので、虚の頬はますます赤くなった。
 おヘソの下あたりにチュッ、とキスすると虚のカラダが少し跳ねた。


「あ…」
「…このへんに子供がいるんだろうなぁ」
「よ、よくわかんない…」
「子宮ってのはこのへんにあるんだよ」
「へ、へぇ…」
「あとでもうちょっと詳しく教えてやるよ」
「…どういうイミ?」
「だから、実戦でv」
「…」

 虚は少し複雑そうな顔をしたけれど、構わずに小さな下腹部を撫でた。
 浦原はそんなに大きくなったりはしないと言っていたけれど、もう少ししたら霊圧が感じられたり少しは目で見てわかるようになるのだろう。


「いちごは、やっぱり嬉しいの?」
「…ちょっとびっくりはしたけど。嬉しいよ、だって愛し合った証拠だから」
「ってゆうか…いちごは…その…赤ちゃん欲しかったの?」
「欲しいっていうか…、うん、欲しかったかも。男ならさ、やっぱ好きな子の子供は欲しいよ」
「なら良かった。俺、いちごがどう思うかって考えたらこわくて…」
「ばかだな、ほんとにおまえは…」
「ともかく、いちごと恋次がうれしいなら頑張って産むよ。…っつっても勝手に生まれるらしいけど」
「まぁ、みんなついてるから心配すんな」

 ちゅう、と何度もキスをしながら白い下着に手をかけた。


「…『ココ』は、昨日までなかったんだよな?」
「当たり前だろ。昨日ヤったじゃん」
「そうなんだけど…つかおまえ、ココってどこのことだかわかってる??」
「失礼だな!!いちごが知ってることは知ってるよ!!あたりまえだろ!!」
「まぁ…そうなんだけど…」

 とても知っていそうにもない気がしたのでついつい聞いてしまった。


「とりあえず、今日はちょっと触ってみるな?ここは…その、そのための場所だから、絶対気持ちいいはずだから。」
「…ん」
「急ぐつもりはねーから、痛かったりしたらすぐ言って?無理しなくていいからな?ちょっとずつな?」
「も、もういちごがヤサシイのは良くわかったから!そんなことイチイチ言わなくていいから!」

 心の準備は出来ているようなので―下着をグイとずり下ろしてしまう。わかっていたことだが、昨日まで抱いていたカラダがすっかり女の子のそれになってしまっている。
 晒された真っ白い下半身がつくりもののようにきれいで思わず息を呑んだ。今朝しっかり見ているしあまりこういうことは公開したくないが…つるつるぺたん―というやつだ。まぁ確かにこの子に正確に年齢をつけるなら、そのくらいの年の少女なのかも知れない。


「…」
「…どしたの?」
「いや…その…だって…つまりおまえ、処女ってことだよな…」
「まぁ…ソコ…は、そういうことになるのかな…」
「でも俺は…おまえの処女もらう資格あるのかなって…ちょっと思ってる…」
「…ずーっと、欲しがってたのはいちごの方でしょ」

 虚は半分呆れたみたいな口調で言った。事実呆れているのだろう―たしかに結ばれた頃、そのことに執着していたのは自分だったけれど。

「…それって俺ならいいってこと?」
「どう解釈してくれてもいいけど…俺がこの世界でいちばん好きなのは今も昔もいちごだけだよ…」
「それは…知ってるけど…なぁもっと言って?」
「…いちごが好きだよ」

 甘い声に導かれるように口唇を塞いだ。そのまま思わずいつものように上から抱き締めるみたいにのしかかりそうになってしまって―慌てて腕で己の身体を支えた。


「あのさ、横向いて?子供潰しそう」
「だから、まだ大丈夫だと思うけど…」
「でも、心配だもん」
「…わかったよ」

 虚がくるりとカラダをひねったので、安心して抱き寄せるとキスをする。いつもより小さい口唇や短い舌に煽られて夢中で貪った。息継ぎがヘタクソなこの子がちょっと苦しそうな顔をするので―それにすごく感じてしまう。


「でもおまえらしいよな」
「…なにが?」
「処女なのに赤ちゃん出来ちゃうってのが、すげぇおまえらしい」
「うっ…るさいな!!俺だってそこが納得出来なかったんだよ!!浦原はなんかよくわかんない説明してたけど…」
「でも、マリアサマはバージンでキリストを生んだんだぜ??」
「知らねーよそんなこと!!…ともかく、マリアサマだか何だかしらないけど俺はエッチしたことがないわけじゃないし…ホントの意味で処女だったわけじゃないから!」
「そうだよな、俺が死ぬほど抱いたもんな」
「…」

 本当に―結ばれた頃はそれこそ毎日死ぬほど抱いたし、おかしくなるからもうやめてと言われてもやめなかった。このきれいなカラダが―自分以外の誰かに汚されたと思うと耐えられなかったのだ。この子がどんなに泣いても―気でも狂ったみたいに愛してると言っては益々泣かせたことを覚えている。
 随分長いこと時が経って―昔のことが夢のように思えても、それは確かに現実にあったことだし忘れたりしない。


「なぁ、もう俺がおまえのこと世界一愛してるって信じてくれてる…?」

 ベタベタと髪や頬に触りながら聞いてみる。相手は正直、もうひつこいとか鬱陶しいとか言いたそうな顔すらしていたけれど、律儀に頷いた。

「…俺、いちごのことはもうぜんぶ信じてるよ…?」
「ホント?ありがと…」


 先ほどのキスでも足りない気がして、もう一度口唇を重ねた。少しずつ角度を変えながら奥まで―もっと深く欲しい。この子とカラダを繋ぐといつもそう思う。―たしかに、深く繋がらないセックスなんて不可能なのかも知れない。
 そんなことを考えながらキスしていると、素っ裸の白いカラダがきゅうと抱きついてくるので愛しかった。昔はこんな風に自分から寄って来てはくれなかったから。子供が出来てまでこんなことを言い合っている自分たちはどうかと思うけれど―とにかく、この子のことがとてもとても好きなのだ。


 口唇の方を存分に味わい尽くしたら細い首筋や鎖骨を軽く吸いながら、小さな胸に指を伸ばす。
 この子はとても感じやすいし―特に胸は感じるようだから、処女といえども愛撫しているうちにかなり濡れるだろうと思った。
 乱暴にしたら潰してしまいそうな柔らかい胸に気を使いつつ、少しずつ触れていく。

「んっ…」
「痛くない?」
「…ぅ、ん」

 硬くなった突起を優しく舐めると、虚はびくびくと反応した。

「なんか…い、ちご…」
「…ん?」
「すッ…ごく感じる…」







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